第3話 弓使い"Kana"

「イテテテ...」

僕ともう一人の少女がどうやら角でぶつかったらしい。

もう一人の少女は僕(Kenya)と少し小さいくらいの身長だ。中学生くらいだろうか?

「ごめんなさい!」

相手から先に謝ってきた。僕は慌てて「こちらこそごめんなさい!」と返した。まさかこの出会いが僕の運命を変えることになるとはこの時微塵たりとも思っていなかった。




会話が弾み気づけば広場に行くどころか僕はその少女の誘いにのってカフェにいた。2600年の仮想空間技術はものすごく、いくら仮想世界だからといっても味がわかったり温度が体感できたりする。コーヒーはあまり好きではないが彼女と話しているとそこまで気にすることでもなくなった。

彼女の名前はKana。弓使いの魔法師だそうだ。"ゼネシスオンライン"自体は初めてだそうが、ほかのPVゲームに関してはプロ並の腕を持っているらしく遠距離攻撃型と魔法系に関しては大の得意らしい。仲間がいないことから僕はKanaとパーティーを組むことにした。「それじゃあ、どうしよっか?これから」Kanaが早速聞いてきた。幸い僕達が最初にスポーンした地点は敵国からも離れていて当分敵国のことは考えなくて済んだ。

ふと僕の目に入ったのがカフェの本棚にあるガイドマップだ。どうやらカネルーン王国領の周辺数キロ圏内のダンジョンがのっているらしい。


【初心者マップ!】

まだ始めたばかりで武器や防具を強化してみたいそこのあなたっ!


武器強化;セルバニア洞窟


防具強化;メール岬


へGo!!


「へー!面白そうじゃない!」


このゲームの中ではデュエルというシステムがあり。たとえ同じ国の者でも模擬試合のような形で自分の魔法や武術のスキルを見せ合うミニゲームのようなものがある。

そのゲームにはお金が少なからず絡み、それでゲーム内での億万長者になった者もいると聞く。

お金があれば概ね(おおむね)権力者となりこの国の上位に就くことが多い。

だから皆たとえ他国に攻められにくいとされるこの地でも自分のスキル上げやダンジョン探索に好んでやる。それは僕達も同じだった。

僕達は今度セルバニア洞窟に行くことにした。僕はこのゲーム最初の、いや仮想空間で最初のダンジョンに僕は興奮を抑えることなどできなかった。

(ワクワクするぅ。。。。)

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