人類の数億年後の地球生活

杉崎 三泥

1.人類は滅亡した。

 西暦…そんな時間の数え方が意味をなさなくなってしばらくがたった地球。



 旧人類は滅亡した。



 最初の頃は有限の資源をお互いが仮想の価値システムで交換し、手を取り合う形で生きてきた人類はやがて資源不足、そして環境の変化に追い付かなくなっていた。そのために、いろいろな実験をすることによって資源を生み出すための技術を確立させようとした。

 しかし、そこには一つ問題があった。それは最初から存在していた理由であり、今までそれを改善しようとしてもできなかった、その重要な問題はただ一つ。



 資源サイクルの改良に伴い発生する人類の堕落、だ。



 彼らは状況を打破するための案を考え続けているグループと自分の楽を考えるグループの2つに分かれていた。その均衡は人類が存続するために必要なバランスを途中までは持っていた。

 しかし、人の持つ意識というのはとても簡単に乱されるもので、人の性格というのはどちらかといえば生きる上で楽なほうへと傾きやすい。


 そこに悪はなく、善もない。


 その結果、人類はこの資源サイクルをどうにかすることができないままに資源を使い切り、やがて最後の一人が何もしようとすることもなく、人類は消えた。


 人類以外の動物はどうなったのか、答えはこちらも、だ。


 一番最後に息絶えた人類は最初の頃は生き残る気力であふれていた。だが、その人類も周りの人間が残り少なく、生きるのもつらくなって死んだ人を何人も見てしまった。その中でも生きていった人たちは食糧として哺乳類、鳥類、魚類等々の脊椎動物はもちろんのこと、昆虫系なども食い尽くされた。最後のほうに食べていたのは雑草やコケという、栄養があるのかわからないものばかりだ。そんな中でまともな気力を保って生きるなど到底できずに、彼は死んでいった。





 さて、人類が滅亡してから光が太陽系の円周を何十周とした頃。





 地球という惑星が生まれてから植物ができる、なんて話を聞いた人がいたらもちろん気づくかもしれないが、あえて言おう。

 

 動物は…人類は再び地上に姿を現すこととなる。


 それははたまた、まったく同じ運命をたどるのか、それともまったく別の進化をたどるのか。再び生きることとなった新人類は旧人類からどう進化したのか。



 これは、新人類として生まれた少年が生きていく話の一部である。

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