君と歩むこの世界で

ぺこまる

第1話 ハテナ

俺は今、自分の鼓動を感じながら歩いている。

別に聞きたくて聞いている訳じゃない。時が止まったこの世界では、何かが音をたてたりすることはなく無残な静寂が広がっているからだ。


(こうして自分の鼓動を聞いてみるとなかなか大きい音がなるもんだなぁ。)


そんなことを思いながら宛もない目的地を目指し歩んでゆく。



俺のいるこの世界はどうして時が止まってしまったのか分かっていない。そもそも、俺以外みんな時が進んでいない。どこかのお偉いさんも、偉大な研究者もみんな変わらずのままだ。

時間が進まないので日付が変わる事はない。太陽はあるが傾いたままそこを動こうとしない。


(てか、なんで俺だけ動けるんだ???)


頭にハテナを残しながらも歩みをすすめる。



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