第381話 東大阪市足代新町のラーメンこってり+唐揚げ+瓶ビール(小)

 何やら今日はチキンを食べる日らしい。


 そういうわけで、ノーブル・チキンな店でチキンを軽く喰らった後。


「〆は、別の店に行こう」


 そうしてノーブル・チキンな店を出た斜向かいには、麺屋がある。


 ここのスープは、チキン・ガラをベースにしていたはずだ。


 いつも飲み食いをしっかりしていて避けているが、今月末期限の一杯無料券もあったりする。


「今日は、入っていいだろう」


 かくして、店内へと足を踏み入れる。


 空いているカウンター席に着いて一息。


「ラーメン並こってり、唐揚げ、瓶ビール(小)を。ビールは麺と一緒に」


 サクッと注文を済ませる。チキン・ガラスープにチキンの唐揚げ。パーフェクトだ。


 あとは待つばかりとなれば、『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』を起動する。現在は、クリスマスイベント中だが、五乙女中心なのでのんびりしたものだ。ロザリーのポイントを地道に稼いでいるのみ。


 とはいえ、出撃している時間はないだろう。軽くおでかけをしかけたりしていれば、注文の品がやって来る。


「ああ、チキン・ガラだけじゃないスープだなぁ」


 灰褐色のスープはどろり濃厚。具材はチャーシュー、メンマ、ねぎという定番。単品で頼んだ唐揚げは、定食の唐揚げより少し多めなのが嬉しい。瓶ビールが小だというのが、ちょっと寂しいが、それはさておき。


「いただきます」


 まずは、スープ。


「ああ、いつもの味だ」


 この店の象徴であるポタージュ系の味わい。チキン・ガラに野菜などが溶け込んだ独特なものだ。ひっぱりあげた中細ストレート麺にもしっかり絡んできて、旨し。


 次に、唐揚げ。揚げたて熱々。シンプルな味付けなのが、麺とのバランスが取れていてとてもいい。ハフハフしつつ囓り、麺を喰らう。


「ああ、いいな。チキンを接種している」


 間違いない。


 ビールをチビチビ呑みつつ。


 唐揚げを囓り、付け合わせの野菜を箸休めにし、麺を喰らう。


 先ほど、少しメガを呑んでいたので気分もいい。


 味変にニラをぶち込んでみたり、唐揚げに餃子用の酢醤油をかけてさっぱりさせてみたり。


 思うままに楽しむ。誰ものにも邪魔されず自由で独りで静かで豊かだ。救われている。


 じっくりとチキンを味わい。


 気がつけば、唐揚げも麺もなくなっている。


 最後のビールを飲み干し。


 どろり濃厚なスープをレンゲで啜り。


 器が空になる。


 食い尽くした。


 終わってしまったのだ。


 だが、満足だ。


 最後に水を一杯飲んで一息入れ。


 無料券を使って会計を済ませ。


「ごちそうさん」


 店を後にする。


「さて、帰るか」


 駅の方へと、足を向ける。

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