ボーカロイドライブラリ・v flower

アリエ:

 v flowerは……前話までのテンプレでは説明できそうにないです。


まりあ:

 どういうことですか?


アリエ:

 当初はV3エディタ向けに発売され、VOCALOIDエンジンの生みの親であるYAMAHAが開発を行っていました。

 ところが、エディタがV4にバージョンアップされた際、開発が株式会社ガイノイドに移ったんです。


まりあ:

 め、面倒ですね。


アリエ:

 V3とV4ではキャラクターデザインが変わっていて、キャラクターに関する問い合わせは該当するデザインの会社に送らなければならないとか。どうしてこんな複雑な状態にしたんでしょうね。 


まりあ:

 中の人は誰なんですか?


アリエ:

 非公開です。VOCALOIDライブラリとしては珍しい方ですね。

 独特の鼻にかかった声質と、ガイノイドが吉本興業の子会社であることから山田花子さんという説が有力です。


まりあ:

 ……歌声が想像できません。


アリエ:

 とりあえず一曲聴いてみてください。

 キャラデザを手掛けたクリエイター集団、HoneyWorksによる“イノコリ先生”です。


まりあ:

 少年っぽい声ですね。


アリエ:

 開発がYAMAHAだったためか多数の有名ボカロPが楽曲を作成し、CDを発売するなどしてflowerの名前は広まりましたが、2014年当時は定着しませんでした。


まりあ:

 ちょっと苦手なタイプかも……


アリエ:

 かなり好みが分かれそうな声ですからね。聞き取りにくいタイプの声ですし。

 ところが2016年頭にセカンドアルバムが発売されて以降再評価が進み、2017年現在では定着したと言って良い状況です。


まりあ:

 どうしてですか?


アリエ:

 第一に考えられるのは、新曲が少なくなっていたので連投されたアルバム曲に注目が集まったことでしょうか。


まりあ:

 しょっぱい理由ですね。


アリエ:

 もう一つは2016年以降頭角を現し始めたPであるバルーン氏がflowerをよく使ったことですね。

 氏の代表曲である“シャルル”をどうぞ。


まりあ:

 独特……ですね。それだけにflowerの声がよく合っています。


アリエ:

 flowerは普遍的に使われるという感じではなく、使いこなせばハイセンスに聞こえる飛び道具ですね。

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