青夏

由仁

第1話 手紙

拝啓

お元気ですか、

私はこの記録的な暑さにそろそろバテてしまいそうです。

あの夏の日からもう5年が経ちます。

君は今何処にいますか、

私は君に会いたい


汗がぽたりと便箋に丸いしみをつくる。

図書室の時計は正午をまわっていた。

私はそこまで書いた便箋をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨て、部活動へと向かうべく図書室を後にした。


会いたい、だなんて

会えるはずがないのに。


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