食物連鎖を飛び越えて(2)

 種内捕食、いわゆる共食いをする生き物というのは決して少なくないという。

 私自身マアナゴだった頃、たまたま食したのが同族だったという不幸な事故を見かけたこともあるし、広い自然界そういう習性を持つ種族もいると聞く。

 が、

「いそもさん、アサリは共食いの習性があるのですか?」

「知らないですぅ」

「ではなぜ自分が元々アサリだと知っていながら平然とアサリを食べるのです」

「美味しいから?」


 ──生物学的にどうであれ、神に伺候する女官候補としてこれはいかがなものか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る