【登場人物】(神格以外)

都築燈火

「覚えておけ。僕は―――化け物だ。だが。人を守る化け物だ」

四十五歳(物語開始時点)

神の肉体として改造処置を受けただけの生身の人間。しかしその超常的な異能が、彼の運命を大きく変える事となる。

彼の能力は一種の脳の認知能力の歪み。物事を記号化するのが苦手(それでも現在は普通にふるまえるが幼少期は大変だった)な代わりに、物事を丸ごと認識してしまう。

例えば無数のリンゴが落ちてくる様子を見た場合、常人は「[たくさん]の[リンゴ]が落ちてくる」と認識するが、彼は「リンゴ全体が落ちている様子」を丸ごと認識しようとしてしまう。この認識方法はかなりの負担となるが、記号化の過程でこそぎ落される多くの情報を彼は丸ごと理解し、利用する事が可能。

地球という惑星の生態系が生み出した免疫機構。抗原抗体反応のひとつとも言えるかもしれない。遺伝子戦争期には発現形態こそ様々なものの、彼のような異常能力者が無数に現れ、神々を屠った。燈火の「人類側神格が目覚めるのを助ける」のもその一形態である。数々の英雄たち、人類側神格などはより直接的な戦いに特化した発現形態と言えるだろう。異世界からの侵略という危機がなければその力に目覚める事もなく平穏無事に生き、そして老いて死んでいったであろう人々。誤解を恐れずに言うのであれば、彼らは人類種の決戦存在であり、地球という惑星全体の代理闘士チャンピオンである。そりゃ神々もボコボコにされて追い返されるわ(ぉぃ)

物腰は穏やか。常に冷静さを保ち、何が起きようとも生き延びようとする。

ちなみに彼の異能の執筆時のコードネームは「女神様ガチャ」(ひでえ)。ガチャとしてみると彼の引きは相当なものと言えよう(都市破壊型1・気象制御型2の他、隠密行動に有用な水陸両用型1、レアリティの高い最新型1である)(メタ発言)


ソ・トト

推定七百歳。

神々の世界における大国の王。彼の支配する都市国家「ソ」は、その傘下にさらに百あまりの小都市国家からなる都市国家群を従えており、神々の世界における一大勢力の代表者である。政治・軍事だけではなく科学者としても様々な業績を残している偉大な王であり、高名な芸術家でもある。

常に民と種族の安寧を考えて行動する王の中の王。彼の死は神々に多大な損害を与えた。燈火はまさしく神々という種の最大の障害になったのだ。神王の予言通りに。

ヘルやアスタロトの他、様々な神格を建造した。

名前の元ネタは喪神の礎シリーズに登場する宇宙人。


都築刀祢

四十六歳(物語開始時点)

燈火の実兄であり、人類史上初めて知性強化動物とエッチしちゃった男。こう書くとひどいな!!しかも事実上の近親相姦だ!!(はっちゃけてごめんなさい)

職業は公立高校の教師。実直な人柄。最近はやや視力が衰えてきたため書類仕事では眼鏡が手放せない。

柔道三段・剣道四段・合気道二段。

サバイバル技術や水難救助法までマスターしているが、これははるなら知性強化動物の子供たちを警護していた自衛官から習ったもの。

メタ的にはこの物語における地球側の「一般人」としての役割を担う。

女神様ガチャの引きは常人としては相当いい方だろう(まだいうか)


髭熊(ジャック)

五十三歳(物語開始時点)

樹海の星を縦横無尽に暴れまわる―――というと言いすぎだが、神々の手を離れて自由に生きる大海賊。その主な生業は、人類の居留地から離れた遺跡で機械発掘に勤しむ事。

偉大な技術者であり、神々の機械のほとんどを修理・運用できる。美人の嫁までおり、樹海の星の人類としてはかなりの勝ち組なのではなかろうか。

樹海の星には彼や燈火の他にも神々のテクノロジーを手にしたグループが小数存在し、彼らはそれぞれが協調しつつも独自路線で神々に対し反抗の機会を伺っている。

彼の船は非常に高性能なステルス性を持っており、神々でも発見は難しい。

ちなみに彼が燈火たちに提供した門のユニットは、四章で天照が破壊したメガフロートのものである。


顔役

五十代。奥方は四十代。

元海軍士官で、二十代前半の頃遺伝子戦争が勃発。艦は眷属と交戦して相討ちとなり、海に投げ出されたところを神々に捕らえられた。

フランの母とは、後に海辺の街ができる居留地で出会い紆余曲折をへて結婚。この時燈火の機転で、彼女が神の肉体とされる事を回避できた。当時はまだ混乱期で、人間の管理がかなり雑だったために出来たことではある。

チェルノボーグと対峙した際の行動は友人と街を守るためとしては間違いなく最適解だったが、相手が悪すぎた。


都築弘

故人。遺伝子戦争開戦当時は三十六歳だった。

生物学者で、燈火・刀祢の父。史上初の知性強化動物を生み出した研究グループの中心的役割を担った。

開いた門を守ったのが彼の最後の娘であり、燈火の"妹"でもあるはるなだったのは、まさしく因縁だったのだろう。これ以上誰も大切なひとをなくしたくない、という彼の想いは結実したのだ。

地球の医療テクノロジーは神々の科学技術を取り入れて長足の進歩を遂げたが、それでも彼の胃がんに対しては手遅れだった。

ちなみに地球の科学力でも人間の遺伝子改造による長命化処理は可能だが、原則的には禁止となっている。理由は神々のような種としての衰退を避けるため。もちろん既に改造されてしまっている人類側神格たちや燈火のような人間の存在を否定するものではない。


ケセト

推定三百歳。

海辺の街を滅ぼした神々の指揮官。

「ソ」における有力家門の若き当主。ソ・トトに仕え、先の戦争では家門を率いて戦った。非常に実直で有能な人物。人望も篤い。

家庭は円満。出生率の低下している現代において、珍しく子が産まれている。妻は出産時に死にかけ、新たな肉体を得て生き延びた。彼らの家庭の幸福は人間の犠牲あってのものである。

彼が海辺の街で率いていた手勢の内、アレスとチェルノボーグ、他数体以外の神格は各家門から王に提供された戦力を、現場責任者として預かり指揮していたものである。


ハンス・ウルリッヒ・ルーデル

享年百歳。1916年7月2日生まれ。

実在の人物。史実では1982年に死去しているが、樹海世界では2016年7月2日まで生存した。

史実でも人類史上最大のタンクハンターであり、エースパイロットでもある。30回撃墜されながらも生還、足が無くなってもなお病院を脱走して出撃しようとしたなど逸話には事欠かない超人。

樹海世界においては健康を保ったまま長生きしており、遺伝子戦争ではA-10サンダーボルトを駆って陸戦型神格と激戦を繰り広げた。7月1日、彼が99歳最後の日、巨神を一騎討ちで撃破するという偉業を成し遂げ、翌日。100歳の誕生日、静かに息を引き取った。老衰。

メタ的には神を殺すには神をぶつけるのが一番や!!ということで登場していただきました。他にもミズーリが神格撃破してたりジョン・ポール・ジョーンズが海洋型神格3柱と相討ちになってたりYF-23ブラックウィドウが航空型神格と激闘を繰り広げていたり大阪人が巨神を倒すのに成功していたりする。樹海世界はそういう世界です!強そうな奴は実際強いんや!!

でも勘違いしてはいけないのは神格は核攻撃も通用しない本物の化け物ということ。それを倒せるのは本当に一握りの英雄のみです。


猫である。にゃー(ΦωΦ

神々の樹海におけるねこは最強生物の一角で、遺伝子戦争期には無改造の猫が神格を殺した事例がガチに存在する。

武を極め、何千年も生きた猫仙人がいるとかいないとか……

作中でも海辺の街では神格にダメージを与える事に成功した猫が登場。

ちなみに彼は街が壊滅した後も生き延び、人がいなくなったあの街で生を謳歌しているとか。農園の作物や生態系もあの近辺で野生化し、猫の生存を許すほどに豊かになったのである。

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