短編シナリオ:無音暗殺(サイレントキル)

アマ公

第1話 プロローグ:記録

「はぁはぁはぁ……ひぃ、助けてぇ」


 夜も更け、人っ子一つ見当たらない街道で一つ悲鳴が上がった。

 男は顔に大きな古傷がある、チンピラのような風体の男。

 強面の男だが、今は虐められっこのような情けない声を上げて、助けを求めていた。


「…………」


 追手は淡々と歩き、刃物を二つ放った。

 

「ぐぁああああああ」


 両足に突き刺さり、痛みで体勢が崩れ地面に倒れ込む。

 

「やめろ、やめてくれ、俺が何したって言うんだ」

「…………」

 

 追手は無言で倒れた男の元まで近寄ると、静かに腕を心臓に振り下ろした。

 《何故か》、その瞬間だけ現場に音はなかった。

 死体はその後、追手の仲間なのか、顔を隠した二人も集まり、連絡を取り、どこかに回収されていった。

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