月との会話について
月というのは丸いもの。
それはどこの世界へ行っても、話す言葉が違っていても共通の認識であろう。
月には休息日が1日だけあり、その日ばかりは夜の空を照らすことなく
ゆっくりと過ごすのである。
そんな晩の月とある男の会話について……。
「俺が丸い形じゃなかったら皆どう思うんだろうな」
「例えば、三角や四角だったらってことかい?」
「あぁ、丸以外の形ならなんでもさ」
はて、こんなに感傷的な月を見るのは久しぶりである。
「俺は、やっぱり丸がいいと思うけどな」
「……」
どこか腑に落ちない様子の月にさらに言ってやる。
「だって安心するだろう?夜空を見上げて、お前が輝いているのをみたらさ」
明日もまた頑張ろうって気になるんだよ。
そう言うと月は嬉しそうに檸檬曹達をぐいっと飲み干した。
「そうか、俺は俺でいいってことだな」
「そうそう。俺もお前も俺とお前だからいいのさ」
飲み干した檸檬曹達のグラスを振り今度は蜜柑曹達を頼みながら、何故か無性に可笑しくなった俺たちはどちらからともなく笑い出した。
次回更新予定日:2016年7月27日
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