群像転生物語 ――幸せになり損ねたサキュバスと王子のお話――
宮島更紗/三良坂光輝
序章 ――別れと、出会いと、――
あらすじ
白石悠人と東条つばさ。
十六歳の高校生、幼なじみである二人はお互いに意識をしながらも進展のない日々を送っていた。
そんなある日、二人は輝く石碑に遭遇する。そして何者かに襲われたふたりは、愛する者の死を見つめながら死んでいった。
【一章】
気がつけば、そこは魔族の街だった。
つばさが目覚めると、目の前にいるのは人外の姿をした魔族達。そして、つばさの体もサキュバスの幼体に変化していた。
平和な世界で第二の人生を得たつばさは、スローライフを堪能する。
そして月日は流れ――
魔族の街に転生したつばさは、二度目の十六歳を迎えていた。
魔族の生活に溶け込んでいたつばさだったが、ある日、母から魔族独自の価値観、愛情を聞かされる。
それは自分のツガイであるグリフォン種との関係だった。
魔族はともに生まれた兄弟と身体を重ね合わせ、生涯の伴侶として生き続ける。
その言葉を受け、心は人間、体は魔族のつばさに苦悩と葛藤が訪れる。
そんな中、ある日つばさは仲間の魔族と壊れた馬車を見つける。
滅多に現れない人間が魔族の世界に現れた。
そして、馬車の中にいたはずの人間の子供達はゴブリンに連れ去られてしまっている。
つばさと仲間達は子供達の救出を決意し、ゴブリンの集落へと向かう。
つばさはゴブリン達との戦いを通じ、仲間との友情、そして自分のツガイの大切さを学んでいく。
――表題[生まれの片一羽]他3編収録(序章 ~ 一章終了までで約10万文字)
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