第28話 I wish..♥願わくば♡28 加筆修正有2020.08☆

28.



=== 仁科貴司 & (貴司の姉)美咲 ===



~葵が旅に出てからしばらくして貴司姉、美咲と貴司との会話~

(貴司が葵のいる町を尋ねて行く前のこと)




 「その後、どうなの? 葵さんからはちゃんと連絡あるの?」





 「あぁ、いちどだけ。

旅の行く先々で楽しくプチ生活しながら、移動している

みたいだ。


 もう少し、知らない町での暮らしを堪能したいから

帰るのが先になりそうだと云ってきた。 


 お金も必要だろうから、送ったよ」



 「貴司、葵さんもうたぶん帰って来ないよ」




 「姉貴、俺の話ちゃんと聞いてた? 

 何でそういう話になるのさ。



 俺は皆の前で去年の春頃に宣言したろ?

 他の女には余所見せず、これからは葵だけを大切に

していきます、って!


 家族と過ごす時間も増やして葵や息子達ともっと

向き合っていくつもりだって。


 なのに何で逃げ出すっていう話になるンだよ!」




 「貴司、全然あなた判ってない。

 まず、信じられない。同じ女性としていくら考えても

あなたのあの発言は良くないと思うよ」




 「周りの皆も姉貴だって、それに当人の葵息子達も

うれしそうにしていたじゃないか。


 皆拍手して頑張れって云ってたじゃないか!」






 「云っとくけど、周りの人達がどんなだったかは知らないけど

少なくとも葵さんや息子達はちっともうれしそうなんなかじゃ

なかったから。


 口角は下げてたけど3人とも、目が死んでたわよ。

 このバカ!


 気付きもしない野郎だからあんなふざけたこと宣言

出来たんだろうけど。


 まぁ、あなたも自分の所業に何か思うところがあったから

改心したことを発表したんでしょうが・・。


 あなたがしなきゃいけなかったのは、Audienceつまり

友人知人親族なんかのいない所で誠心誠意3人に

今までのふしだらな数々の女性関係を謝り、償いとして

3人をそして妻の葵さんの為に今後は全力で向き合い

大切にしていきますと、謝罪宣言するべきだったのよ。


 判った? この唐変木野郎!!!」




 「ナ、何そんなカッカ熱くなってンだよ、姉貴!」




 「まぁ、私としてはあなたのその改心がもう10年早ければ

なぁと、思わずにはいられないけど。


 兎に角、妻も子もいる身で、しかも今まで普通の男性(ひと)が

経験出来ないような女性遍歴があるんだし、女の尻を追いかける

の・・・じゃなかった、、、女に自分の尻を追っかけさせる

ようなことはもう金輪際止めなさい。


 じゃないと、あなたに幸せな老後は来ないよ!


 それと、冗談でも何でもなく葵さんはもうあなたの元へは

戻って来ないと思うよ。


 今までの罪滅ぼしに慰謝料渡して財産分与してあげなさい。

 離婚になったら先で受給する年金もちゃんと分割して

あげて」


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