第74話ミニオンズを観た!

 ミニオンズは、ラストで盛り上がるほど、空しさが漂う。



 いや、そこそこ楽しいのだが、ミニオンズは「十二歳の子供」(本来悪い意味ではない)と言われた日本人の、寂しい一面を描いているのではないかと疑ってしまう。


 まず、肌が黄色でしょ? バナナが大好きでしょ? ラスボスに仕えたい性質でしょ?


 日本人は肌が黄色。バナナは果物の王様。神様に仕えたいけれども、今は神話を語ってはならないとされている。どこか寂しい民族だ。


 カリスマ、アイドルを見つければ途端に夢中になって追いかける。


 ふわりふわりとケヴィンが風に揺られていれば、それに従ってぞろぞろと右往左往するのがミニオンズ。


 政治があちこちへ向かえば、それにしたがってぞろぞろ動く。十二歳の日本人だ。哀れを誘う。笑うに笑えないのだ。


 クレジットが流れていくと途中に新しいボスとのやりとりが見られるが、これも幼稚。


 全力で悪戯をしていたかと思うや、バレるとすぐ人のせいにして逃げる。ボスの足手まといになってきゃいきゃい騒ぐ。そうしてぶら下がっていたかと思うと全身でのしかかっていく。なんだこれは、どこの民族なんだ、これでいいのかと不安になる。


 無理に思い起こせば「ピクミン」というゲームがあった。CMで流れていた曲が印象的で、この曲のためだけにCDを買い、ついにはゲーム機本体まで買ってしまった。これもミニオンズっぽい行動だし、そもそも「愛の歌」に心を寄せる性質がミニオンズだ。


 わたくしはミニオンズなのか? 続きをぜひ見たい。

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