さあ、元気を出すzo!

れなれな(水木レナ)

第1話「ウソップが好き」

 いきなりワンピースの話。

 正確にはONEPEICEである。尾田栄一郎さん作。


 久々だからと4巻の日記みたいなコメントを読むと、漫画家さんてフレンドリーだなと。鳥山明さんも、何年も漫画を描いてる大御所なのに、表紙開くと飾らないままのお姿で近況を述べている。漫画家って技術職なのか、芸術家なのか、どうなのか時々迷うのは、少年誌でこういうところを発見してしまうからである。

 さて、初期のワンピースでわたくしの大好きなシーンは、執事のクロが裏で悪いことをしようとして、カヤお嬢様をだまくらかしているのを、ウソップが助けようとするところである。

 執事のクロは、3年もかけてカヤお嬢様の館に入り込んで信頼を勝ち得てきた名執事……ところがその実態は! 海賊だったんだな。病気がちのカヤお嬢様をあざむいて、仲間を呼んで財産を奪おうとしたんだ! それを知って村中に知らせたのがウソップだった。だけど、いつも嘘をついていた彼の言うことを誰も信じてくれない。カヤも。

 だったら、本当に嘘にしてしまえばいい。悪夢のような現実なんて!

 独りで立ち上がったウソップに、ルフィたちが加勢する。


 まあ、うろ覚えだったけれど、そんな感じかな。


 悲惨な現実を「嘘」に変えるために、戦う! 本当が嘘に、嘘が本当になりますように!

 そんな願いのこもった一ページ。

 とても、好きだった。


 アニメ派なので週刊少年ジャンプを離れてから、ほとんど漫画は読んでこなかった。

 そのアニメももう観なくなった。

 原因はウソップが戦力として前へ全然出てこないから、かもしれない。

 前は仮面をかぶってまで、仲間を偽ってまで強くなろうとしてたのに。

「ルフィにまかせておけばいい」的な態度が気に食わないのである。

 4巻を改めて見て思う。

 あれだけ悲壮な想いをしてまで戦ったウソップはどこへ行ってしまったのか?

 仲間との馴れ合いの内に、どこかへ行ってしまったのか?

 もっと、ウソップに活躍してほしいよ。

 ほんとつきのウソップ。

 本当を嘘に変えてしまおうとしたウソップ。ヒーローだったウソップ。

 あの頃のウソップが、一番好きだった。


   ☆☆☆


この記事にコメントをいただきました。


   ☆☆☆


(元固硬堅さんこと、時岡あら志さん)

大丈夫、ウソップは今でも充分に活躍してますよ。それは戦力でいえばルフィやゾロには及びませんが、それは初期から変わりませんし。

今ではルフィ、ゾロに次ぐ懸賞金の持ち主だったり、覇気という強者だけが持つ特殊能力に目覚めかけていたりと、麦わらの一味の中でもトップクラスの活躍を見せております。

むしろ不憫なのは、ナミ、チョッパー、フランキー、ブルック、ロビン辺りだと思います。懸賞金の額も微妙ですし、覇気に目覚めていませんから。

ルフィに任せるのは船長として信頼しているからで、ウソップはいざとなったら勇気を出して戦います。普段逃げたり隠れたりする弱い彼だからこそ、芯の強さを見せてくれた時に感動を生むのでしょうね。

私もウソップ大好きです。あと、バギーとコビーも好きです。クリリンといい、私は弱いけど頑張るキャラが大好きなのです。


   ☆☆☆


返信いたしました。


   ☆☆☆


 そうですか。よかった。


 うん、そうですよねえ。


 弱いからこそ、主役級にがんばるにはエネルギーが必要です。


 たいへんな勇気が、底力が、必要なはずです……。

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