第8話 ブルーのワイシャツ
ミナミは、とうとう女性医師マリに会う日が来た。
ミナミには、待ちどおしい日だった。
暖かいながらも空気は冷たい日、時計の針は
10時を指していた。
ミナミは、もう1つ用事があったので、急いで着替えて家を出た。
足早に歩いていると、男性医師Cから連絡がきた。
「本屋に着きましたか?」
ミナミは、
「いえ、まだです。今、別の所に向かっているところです。
病院と本屋では、どちらを先にしたらよろしいですか?」
と聞いた。
「とりあえず、本屋に行ってください」
しっかりした声で返事がきた。
ミナミは、男性医師Cの言う通り本屋に向かった。
その日は、色々あり動揺や緊張を隠し切れない
様子で歩いていた。
すると、男性医師Cの方から突然
「愛人がいました。 すいません」
と連絡がきた。
向こうは、とても取り込んでいた様子だった。
ミナミは、急いでいたのか、それを気にもしなかった。
すると今度は、母から連絡がきた。
その連絡で本屋が目の前あるにも関わらず
病院に行くこと事を決めた。
ミナミは、裏通りに面した耳鼻科を探しながら病院に向かった。
心の何処かで女性医師との約束を破ってしまい、とても
気がかりでいた。
数日後、女性医師から
「本屋の前に来ましたか?私・・・赤いコートを着て・・・」
その声は途中で切れてしまい聞き取れなかった。
それにも関わらず、お互いに事実を伝え合おうとしたが、
うまく伝わらなかった。
そのせいか、別の医師にもこの事を質問された。
ミナミは、
「用事が出来て行けませんでした」
と行けなかったと理由を軽く伝えてしまった。
また、きちんとした理由を伝えられなかったことを残念に思って
しまった。
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