第2話 ブルーのワイシャツ

ミナミ


「マネジメントしない?」


これが、二人が会うきっかけとなった言葉だ。


「・・・・。」


和也は口を閉じた。


二人には言葉に切り出せない事があったようだった。


「どんなふうに?」


和也は、しばらくすると話かけてきた。


「同じ椅子に座って、どちらかが先に動かない?」


ミナミは、こう言った。


「・・・。」


また和也は口を閉じてしまった。


なぜかというと彼には、これから何が始まるのかとうてい想像ももつかない


ようで返す言葉が見つからなかったようだった。


そんな彼の様子を察して彼女は言った。


「先に動いたほうが、あの話をしようよ。


そして、それが出来たら話を次に進めない?」


彼女は、何か大変なことを軽重な感じで言っているようだった。


「会おう。」


「じゃ、どうしよう?」


「僕が勤める大学病院のロビーで待っていて。」


と和也は言ってきた。


最初の話では喫茶店で会うはずだったが、なぜかこんなマネジメントに


なってしまった。


ミナミがかけた言葉はマネジメントにほど遠い言葉っだが、それも


二人には分からず、何か計画を進めてるというのとは違う秘密の約束を


してるようだった。


そのくらい二人にはとても大切な事だったんだろう。


しばらくして彼は突然


「じゃ、僕はブルーのワイシャツを来ていくよ。


 僕が、話しかけたら動いて。」


「じゃ、私が隣に座る事が出来なかったら動いてね。


 私が、隣に動けたら先に話してほしいな。」


「分かった。そして名前を言うよ。」


これが大切な話を教えてくれるきっかけとなった会話だった。


和也には、責任が重く大変な事だったはずなのに、


ミナミは、そんなマネジメントを軽くしてしまった。


ミナミは、約束してくれた和也が凄いと思ってしまった。




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