第一章その2.神羽屋の秘密

 夏風に黒髪をなびかせながら隣を歩いている幼馴染みの神羽屋麻衣まいは、いつも明るく優しい性格で才色さいしょく兼備けんびという言葉をじん化させた感じだが、神羽屋には周りにも知られていないがある。それは、"元"狐であるということだ。狐達を神社にまつった一族の一角である自分の先祖・市村いちむら家はわずかながら生き残った最後の狐一族・かみ家が、一つの区切りという事でみづからの狐の力を封印する儀式ぎしきの際にその手助けをした。そのため、神羽屋の秘密を知っており、今でもゆかりのある家柄いえがら関係だ…。

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