蒼よりも青く君が愛おしい

第1話 告白

綾は、ロングヘア―に軽くウエーブがかかった女性だ。


外見がちっとも可愛くないのに男性がどこか守りたいと


思ってしまう可愛らしい女性でもある。


でも綾はそれが嫌だった。


自分は強い人間だと思っていた。


そこに静子という何もかもそろっている才色兼備のような女性がいた。


綾のサークルの先輩だ。


綾は、そんな静子にとても憧れていた。


そしてサークルには平というまたまた優秀な医師志望の男性がいた。


平は、何も出来ないあやを少し好きだった。


でも静子がいつも平の隣にいた為、綾は平は静子が好きなのでは


ないかと思い平の気持ちに気が付かなかった。


ある日、サークルも終わり教室で平と綾がカエルの解剖の


後片付けをしていた。


綾は、医師志望ではない。看護師になる夢を抱いていた。


その為サークルの手伝いをしていただけだった。


時間は過ぎ日が暮れ教室はセピア色だ。


ロングヘアの綾の髪が金色に光って見える。


平には、それがとても眩しかった。


平は、告白するには、この時しかないと思った。


綾は、カエルの解剖を終えると帰ろうとした。


「平先輩、帰ります」


平は


「ちょっと、待って」


綾を止めた。


振り向く綾の髪は揺れ少し平の頬にあたった。


平は、ほんのりバラのいい薫りにドッキとした。


綾は、平を何気に見つめた。


「何?先輩」



「おれ、お前が好きなんだ」


「え?」


綾は、びっくりし平の顏をキョトンとし見つめる。


綾は、ためらった。


「先輩・・・。医師志望なんんでしょう?それに静子先輩をさしおえて


好きなんて言えない。恐いの。それに重いの」


綾は、静子に憧れていた為、平に対する本当の気持ちをためらった。



「これから、そんなふうに思わせないよ。それに、静子は好みじゃない。


あいつ何でも一人でできるし・・・」


廊下ではそれを静かに静子が聞いていた。


平は、それを知らなかった。もちろん綾も・・・。



「一緒に帰ろう」


綾は、心の何処かで嬉しかった。


「はい、平先輩」


平も告白をうけてくれた綾に嬉しくなった。


「手をつなごうか」


「まだ早いです!平先輩‼︎」


と言いながら肩を並べて歩いて帰って行った。


「せんぱーい。私、文献何て読まないですよ!」






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