昔々の心霊話
伊勢志摩
第1話 あの頃は若かった
先ごろ行われ伊勢志摩サミット、G7首脳とファーストレディたちが伊勢神宮を訪問という名の参拝をしたニュースを見て思いだした。
ずいぶん昔の話になるけれどこれは僕がまだ高校生だったころに体験した不思議な出来事だ。
どこかに書き記そうとしては不謹慎ではないかのか、あるいはさしさわりがあってはいけないと自制してきた。
しかしそろそろ時効というか、こういうことも公けにしていい時期になった気がする。
おそらく理解してくれると希望的観測で書き出します。
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ことのはじまりは高校一年生のクリスマスイブの夜、従姉妹のアカネさんからの電話からだった。
(名前などは仮名です)
好きだった女子にアタックをかけみごと撃沈されて寂しい夜をすごすはずだったが呼び出しをくらった。
アカネさんは当時十九才の短大生で二次創作の同人誌を書いていた。
どうせ彼女もいなくて暇だろうから手伝いに来いとのお達しだった。
去年は高校受験で遠慮していたそうだが前々から絵心のある僕に目をつけていたとか。
ケーキと美人を用意しているという言葉にうかうかとのってしまったのが運のつきだった。
アカネさんの家は家相的には最悪だそうで三角の敷地に三角の建屋。いろいろ方角も悪い上に玄関から裏口まで突き抜けている。
素人でもこれはないだろうと思うのは2階の廊下のドア。
ドアを開けるとすぐ外に飛び出してしまう。
うっかりトイレと間違えて踏み出したら地面まで転落だwww
さて到着してもクリスマスパーティーなどあるはずもなくショートケーキを食べるが早いかベタ塗りをさせられた。
通称漫画部屋には二人きり、
「美人はどこにいるの?」
念のためにきいてアカネさんが自分を指さしたときは殴ってやろうかと本気で思った。
そこにノックとともに「メリークリスマス」と涼やかな声がしてスレンダーな美人が入ってきた。
ヒトミさんと紹介された僕は失恋の痛みも忘れてドギマギしてしまった。まあ一目惚れしてしまったわけだ。
これは本筋とは関係ないうえさらに失恋してしまった話になるのでひとまず置いておくとして、あっさり機嫌を直した僕はヒトミさんと同じテーブルでアシスタント稼業に精を出した。
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