プロローグ 3
プロローグ 3
―――第一研究室―――
その音は、けたたましく鳴り響き続ける。その音は非常事態を知らせる。その音は、警告する。外部から溢れ出す光は廊下に面した窓という窓を朱く朱く朱く染め上げた。
コンプレッサーは、けたたましい
円筒状のカチッとしたキャスケットの軍帽、
その瞬間、彼を呼び止める声がした。
「待ち
穏やかでそれでいて力強いその声は、机の上におもむろに
「なに、待ってどうすんの、こぉ~れぇ~つうかぁ博士の中身外さないと
と口を
「私は、別に構わないのだが、君があまりに
「それは、どう言う意味だよ。こんなのただ外せばいいんじゃないの」
「
「だ~か~ら~ぁ~どう言う事なんだよ。時間無いんだから教えてよ」
「
「うわ~~それは大問題だよ。も~かんべんして欲しいな~で、どうしたらいいの?」
「それは、簡単だ。2本バルブ
「あーー、
「失礼な、私は正真正銘の人間だ、しょう・しん・しょう・めい・の、まったく。速くし給え、アラートが鳴り響いている直ぐ警備が来るぞ」
「へ~い」
怪しむ様に管を覗き込みそして外すと、やはりと言うか当然と言うか当たり前と言うかやっぱりと言うか外した管から放たれた悪臭が周囲を犯しスレイヤーの鼻を犯した。
「くっさっ!……博士っ臭いよ!もっと良い香りがするの食べてよ!ハーブとか野菜とか」
スレイヤーは、あまりの臭いに顔をしかめた。
「君は
けんのんな顔で容器を見やるスレイヤー
「つうか、博士肉無いじゃん臓物だけじゃん、これで生きているね~ ……ん!、んんんん、んっ!!!、博士もしかして臭い解るのぉぉ!」
「ふっ、当然だ。嗅覚だけでないぞ、視覚、聴覚、味覚もあるぞ。メカノイドにアクセスすれば、触覚だって有る」
「あーー、へいへい、重っ!……博士、重いよ。もっとダイエットしてよ!」
携帯端末を胸に忍ばせイヤホンを耳に入れ容器を外した。
「済まないな、私は育ち盛りなんだ」
スレイヤーは、右手の
辺りを
「中に居るのは、解っている。おとなしく武器を捨て
「あ~あ、囲まれちゃったね」
「君が遅いからだろ」
「で、あの扉どのくらい
「爆破はほぼ不可能だろうね。メカノイドの暴走を想定して丈夫に作ったからね」
「じゃぁ、博士を運ぶ時間は有るね」
「だが問題は、搬入エレベーターで外に出た時に蜂の巣になるだろうがな」
「ところで博士、コレ何処に入れるの?」
「コレとか失礼たぞ。補助席の下に接続出来る」
「ヤダなそれ。コックピットのなか臭くなっちゃうよ」
「安心し給え排泄物は、
「食べる時は?」
「当然、炉だ。エネルギーに変換するのだから」
「糞も食うのも一緒かよ」
「失礼だな君は、排泄物は味わわん」
「じゃ博士付けるよ」
補助席のシートを上げズッシリ重い塊を接続した。
「携帯端末はハンドル中央だ」
「
ハンドル中央に携帯端末を取り付けコックピットを閉じるとそこは、光の海の中、色彩豊かな随所散りばめられ闇を照らす蛍の様に淡い光に包まれる。
「( ̄ー+ ̄)キラーン」
携帯端末の画面が変り変な絵文字が表れると目の前の真っ黒な風景がポツポツとパズルを完成させる様にピースをはめ込み外の景色を完成させる。
視線を動かすとそれを追ってはめ込まれ視界から取り残されたピースは、消えていった。
「ところで博士コレ何?」
「私の顔だ、愛らしいだろ?」
「……で、キラーン何?」
「それは決まっている。天才博士は歯が命だからだ!」
「聞いた事ねぇよ」
「……(嘘だな)で、このメカノイド何て行ったっけ?」
「君、さっき説明したばかりだろ。君はアレか三歩、歩くと忘れてしまうのか。君の頭は鳥か、鳥なのか、君の脳みそ鳥なのか」
「いいから教えてよ。」
「……高速走行型、可変メカノイド、メーテルだ」
「へーかっこいいね」
資材搬入エレベーターにメカノイドで乗り込み戸が静かにしまった。
「博士これからどう逃げるの?」
「それは極めてシンプルだ。君に派手に大暴れしてもらい敵を撹乱してもらいその
「
「そうさ、私は、君と出逢うずっと前から監視され続けている。詳細な逃走計画など計画していたら奴らに全てバレてしまいそれこそ希望が無い」
「そう云うもんかな?」
「ついたぞ」
エレベーターの表示がF1を示しゆっくりと
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