第十章 その先へ
西暦二○二○年台。
日本のとある田舎町の交差点。
その少年は信号機が青になるのを待ちきれず、うずうずしていた。
そわそわしながら、待っていても青になる気配はない。
少年は、車がこないことを確認した。そして、わずかな背徳感とともに、赤信号を無視して渡った。
その姿を、後ろから眺めている女性がいた。
彼女のことを知るものは誰もいない。
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