剣と魔法の異世界で声優やってるけど質問ある?
@kamiyamayui
王女の声は俺の声
「えー、あー。本日は晴天なり、本日は晴天なり。」
「今日は大雨だけど?」
俺の声がそういうと。外の雨は一層と強く降る。
稲妻が光り、部屋は空気と同じく一層暗くなる。
照らし出される調度品は王家のものにふさわしく、重厚で格調高い。そのため、より一層ホラー感が増す。
これじゃあ、ファンタジー小説ではなく、ホラー小説。まあ、よくてもダークファンタジーになってしまう。
俺は努めて明るい声で元気よく言う。
「実際の天気は関係ないの。マイクのテストをするときの俺の国のおまじないだ。」
口調にふさわしくなく、玉を転がしたような声が広間に響く。
歌でも歌ったら、天使の歌声と称されるだろう。
残念ながら俺は音痴だが――。
天使の声は本番に備えた落ち着いたトーンで続ける。
「ただいま、マイクのテスト中。みなさま、本日はお足元の悪い中お越しくださり誠にありがとうございます。」
「なんだか庶民みたいな挨拶ね。」
男の声が突っ込む。まあ、俺の声である。
俺の声で女言葉を話すのはやめてくれ。
まるでオネエになったみたいな変な気分になる。
「うるさいっ!」
さすが王女の声。
気品に満ちて、相手を威圧する。
威圧されているのはこの声の本当の持ち主である王女さまではあるが。
以上、マイクのテストでした。
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