第1章 毛利を頼って

長政と亀松丸

天正4年、毛利氏居城、吉田郡山城に突如現れた将軍、足利義昭と浅井長政、そして長政の子。


突然の将軍の訪問に、戸惑う毛利家当主、輝元はすぐに評定を開いた。


「将軍を自ら追放した信長がこちらで保護されていると知ったら、我らが信長に狙われることになるだろう」という意見と、

「将軍を擁していることを大義名分として、上洛するまたとない機会だ」という意見で割れたが、最終的には、毛利家重臣で輝元の叔父、小早川隆景の意見が採用され、将軍を迎え入れることになった。



そして、将軍義昭と共に通された浅井長政とその三男、亀松丸。

この亀松丸こそが、長政と信長の妹お市の方の子供、つまり信長の甥であった。

これから長政、亀松丸は義昭の付き添いという立場で毛利家に滞在することになった。

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