第2章18 「魔女の城」
俺達は魔女の居場所へ連れて行かれた。
2つの班に分かれて城へ向かった。どういう目的化解らなかったが、俺は茜と共に、ココアとメルは別の班に居た。
そして、魔女の城と呼ばれる建物にやって来た。
そこは城と呼ばれるには古過ぎる城だった。
しかし、どこかバーンクロス城に似ていたのだ。
「何なんだよ…ここは」
俺は思わずそう言葉を口にした。
「こんなに似ている場所があるなんて」
「いや、多分似て作ってるのだわ。魔法で」
茜は確信を持っていたみたいだ。確かに似てる建物が自然にあるはずがない。
恐らく魔女がこの場所を支配した時に魔法で建造したのだろう。
と同時にそこまでの魔力がある事も思い知った。
「魔女は相当の魔力を持っていそうだな」
「私より」
「茜さんより!?」
「魔法でこんなのは作れないよ…」
「それ試した事ないだけだよね?」
「まぁ、そうなんだけど」
会話をしているとマスターが、
「さて中に入りましょうか?」
俺は一気に緊張と恐怖がやって来た。
どっちかというと恐怖が強い。これまでの戦闘等を何となく思い出してしまったから余計にだ。
「茜さん」
「大丈夫よ。私が守るから」
「助かります」
もう後は何とでもなれと思ってしまった。
でも今思えば、これが絶望の日の1ピース目だったかもしれない。
俺達は玉座の間に入った。
そこに居た人物に俺は驚いた。
「フィリア…?」
そこに居たのはフィリアに似ている魔女だった。
あまりにも似ているから、俺は思わず名前を口にした。
「どういう事?侑君」
「フィリアだと思った。あまりに似ているから」
「姫に…」
玉座の前へ立たされた俺達に魔女が一言、
「フィリアではない」
ニヤリとしながら魔女はそう言った。
俺の話を聞いていたのか?部屋の入口から玉座まで結構距離があったのに。
「え?」
「此方はフィリアとかいうぬるま湯に浸かってる虫とは違う」
「魔女…」
その言葉に怒りを覚えたが、身体が動く前に頭がそれを拒否した。
「どうした?此方を殺せないか?」
「魔女様に手を出すと、周りの人が俺を殺すでしょ?」
「ほ~ぅ。虫にしては頭が良いじゃないか」
魔女は、人の事を「虫」と過剰な言い方をした。
でも、俺は言い返せずにいたが、
「魔女、私が誰だか分かるな?」
茜が後ろから声を発した。
マスターには「大人しく」と言われていたが、茜の性格上無理だと思った。
「あ~初代魔女。お目に掛かれて光栄じゃ」
「貴女の目的は解らないけど、この子達の未来を失う権利は貴女には無いわ!!」
「初代魔女~此方は理由も無く人の人生を壊す程愚かではない」
「じゃ、何故?」
「それをお主に言う程馬鹿ではない」
「くっ・・・」
そして魔女は再び俺に話し掛けた。
「のぉ~虫よ。此方と勝負せぬか?」
「勝負?」
「な~に。戦いをしようという訳ではない。ちょっとしたゲームじゃ」
「ゲーム?」
「そうじゃ、良いじゃろ?」
このゲームこそ、絶望の日であった。
to be continued…
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