第1章3 「仮説に落ちた男」
フィリアと出会った俺は街に行く事になった。
「この辺が街なのか?」
「いえ!まだまだ先ですよ!」
「まだまだか遠いんだな」
もうどれくらい歩いたか分からなくなるくらい歩いていたが女の子に負けないと俺は意地になってしまった。
「(俺がここで疲れた休憩しようなんて言えないよな)」
そんな時フィリアが
「侑、あそこで休憩しましょうか?」
俺にとっては最高の言葉に聞こえた。
暫く旅の休憩所に居た俺達は食事にする事にした。
当然この世界に来たばかりの俺には金なんて無かったのでかっこ悪いがフィリアに御馳走してもらったのだ。
折角の機会なので俺はこの世界の事を聞いた
「フィリア」
「はい?」
「ズバリここは天国なのか?」
俺の何気無い質問にフィリアは「何を聞かれているか分からない」という顔になっていた。
「はて?天界の事ですか?」
「天界?」
「はい!死者が行く場所ですよ?」
死者…?今フィリアは死者と言ったのか?と俺の中で状況が把握し切れない状態にあった。
「という事は皆生きている…?」
「侑も生きていますよ?」
「いや、俺はあの時死んだはず…」
「もしかして記憶が消えているのでは?たまにそんな人を見掛ける時がありますよ」
どんな世界だよここはと思ったが今はそんな事よりもここがどういう世界なのかますます分からなくなっていた。
確かに日本ではないし、西洋としても建物が古すぎるってか重傷なのに動けるわけでもないし…
「侑はどこから来たのですか?」
頭の中でぐるぐると渦巻いている時フィリアが1番大事な質問をしてきた。
「あっ…そっかそれが1番大事だもんな…日本だよ」
「ニホン…?どこの国です?」
「え…?」
俺はいつも外国人の人にも分かる言い方に変えてみた。
「ジャパンだよ?」
それでもフィリアは、
「んー分かんないですね」
日本を知らない?それじゃここは…
そう俺はこの時俺の中にあった仮説が成立する時だった。
ずっとここはもしかして異世界ではないのか?と思っていたが、それはゲームのし過ぎだと思っていた。
でも日本を知らない時点でこの世界は俺が居た世界ではない。
そもそも普段の会話すら成立するはずがないのに、成立していた。
つまり…ここは…
「異世界だ…」
俺はフィリアを見ながらそう呟いた。
to be continued…
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