エターナル・コード

 う~ん。

 

 これはどっちがワルもんでどっちがイイもんになるのかな。

 

 昔は普通に天使だから善とか、そういうのでイケたけどね。今、こう、色々深いし。


 正義を司る神が実は最後の敵みたいな、それぞれの価値観がクローズアップされて、裏の裏のまた裏を行く的な、ね。


 まー見た感じ機械神『しびれ○らげB』は悪っぽい。ワルぐろいし。魔王感出てる。

 あんなに手下ぞろぞろ連れて! はしたない! でも癒し系。


 だからって調子に乗るなよ極天使『しびれく○げA』! 

 貴様が勇者だとしたら色々問題がでてくるんだよ! 

 なんだそのエロスなカッコは! 風俗か! 秋葉原のニュービジネスか!

 CERO的にも判断が

「──あ」

 

 俺がアホみたいな事考えながらのほほんと歩いてたら、いつのまにか極天使と機械神の間に割って入ってました。

 びっくりしました。



 俺は左右を見回す。



 右に極天使。超こっち見てる。無表情。



 左に機械神。超こっち見てる。無表情、なのか?




 アウトな気がする。



「何見てんだゴラァぁ!!」──って言えたら、それはそれで素敵な事だと思う。



 その時、ふと黒キモとの邂逅が頭をよぎった。


 恐らく今、普通の感覚で何言ってもヒドイ事になるだろう。ならば黒キモのあのフレッシュな対応を見習うべきではないのか。


 そして、黒キモの存在に首をかしげる読者の方も多かったであろう。

 なぜあそこで黒キモが現れたのだろう。

 必要性があったのか。



──伏線。

 

 そう、そういう事だったのだ。

 黒キモの理解不能な発言は、この超越者達に対するパスワード。

 これが真理の扉を開く、エターナル・コード。

 

 謎は今、解かれた。

 

 俺は一つ小さく息を落とし、再度左右を見回し、そして言った。



「いつだってお前達は成長した例が無い」




 とりあえず極天使が最終形態っぽくなった。



 オイぶっ潰すぞ作者。普通に怒らせてんじゃねーか。

 じゃあなんだったのアノ黒キモ。



 極天使の背後にはなんかすっごい魔方陣みたいなのが連なって、オーラも一段と荒れ狂い、長い髪が逆立ってます。なんか武器も増えてます。


 逆に、彼女なりのチョットお話してみたい的な意思表示なのでは? とか、前向きに捉えてもみたが、はい、無いですね。なんか銃口がめっちゃコッチ向いてます。


 俺は小さくため息を落とすと、思い出した様に左の機械神に目を向けてみる。


 ん? さっきと変わらず、ただジーっと俺を見てるだけだ。あんまり怒ってる様な感じはしない。

 あれ? なんか……意外かな。思慮深いのか? 

 

 ただ言葉の表面を捉えるのではなく、その根底、裏側を彼(彼女?)なりに一生懸命に考えてくれているのではないだろうか? 

 癒し系とか、はしたないとか、俺は間違っていたんじゃないのか? 


 お前こそ、真の勇者なのではないか?



「し、『しび○くらげB』……」

 俺は湧き上がる感動に思わず言葉を漏らす。

 機械神が最終形態っぽくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る