短歌、記憶帖

13

1

（句）

月明り　雪ん子足跡　狐の子

ひとつ騙され　足あとを追う

（読み方）

つきあかり　ゆきんこあしあと　きつねのこ

ひとつだまされ　あしあとをおう

2

孫連れて　雪をかきわけ　どっこいしょ

想いほほえみ　摘むふきのとう

まごつれて　ゆきをかきわけ　どっこいしゃ

おもいほほえみ　つむふきのとう

3

かまくらに　雪ん子あしあと　狐の子

ひとつ騙され　寄り道しよう

かまくらに　ゆきんこあしあと　きつねのこ

ひとつだまされ　よりみちしよう

4

梅昆布茶　祖母が沸かして　夏お冷

一に健康　腹はたぷたぷ

うめこぶちゃ　そぼがわかして　なつおひや

いちにけんこう　はらはたぷたぷ

5

耳で見る　瞳で語る　口は閉じ

友の告白　肌で受け止め

みみでみる　ひとみでかたる　くちはとじ

とものこくはく　はだでうけとめ

6

告白の　前夜叫びて　星落ちる

待て待てまだだ　夜明けは近し

こくはくの　ぜんやさけびて　ほしおちる

まてまてまだだ　よあけはちかし

7

つきこぼれ　よくよく眠れ　猫包み

ベットに添い寝　我が子とふたり

つきこぼれ　よくよくねむれ　ねこつつみ

べっとにそいね　わがことふたり

8

願掛けに　砂利踏む社　午前二時

からんからりと　ひとり残され

がんかけに　じゃりふむやしろ　ごぜんにじ

からんからりと　ひとりのこされ