短歌、記憶帖

11

1

（句）

黒いキャミ　ルージュが映える　友ありて

冷たい脂肪　の匂いたてる

（読み方）

くろいきゃみ　るーじゅがはえる　ともありて

つめたいしぼう　のにおいたてる

2

砂糖無し　紅茶ひとくち　苦いかも

人目よく惹く　女の前にて

さとうなし　こうちゃひとくち　苦いかも

ひとめよくひく　おんなのまえにて

3

『合わない』の　網追いたてる　我々に

裏ごしされる　凶暴さあり

あわないの　あみおいたてる　われわれに

うらごしされる　きょうぼうさあり

4

よく聞いて　タイミングなり　これ全て

出す恋文は　下手でもいいの

よくきいて　たいみんぐなり　これすべて

だすこいぶみは　へたでもいいの

5

止んだ朝　子供群がる　鈍色の

氷輝く　お盆のガラス

やんだあさ　こどもむらがる　にびいろの

こおりかがやく　お盆のガラス

6

同性も　動揺させる　我が友の

一見涼し気　キュートな目元

どうせいも　どうようさせる　わがともの

いっけんすずしげ　きゅーとなめもと

7

柚子檸檬　吹く湯にやどる　夕暮れに

家路急げや　子が待つ夕餉

ゆずれもん　ふくゆにやどる　ゆうぐれに

いえじいそげや　こがまつゆうげ

8

英字読み　インク香りて　想い人

かの地に落ちぬ　ありしの夕日

えいじよみ　いんくかおりて　おもいびと

かのちにおちぬ　ありしのゆうひ