第10話 弾丸の作り方
通り雨に打たれて項垂れていた。重く冷たい雨粒は強制的に僕を地に這わせようとする。抵抗する力もなく、失われたモノの残像を追いかけていた。
夜が間近に近づいているという感覚が私の身体を鋭敏にさせる。
「力の手に入れ方を教えて欲しい」
「ひたむきに学ぶ努力をしても手に入らない力はある」
目的のない努力は祈りみたいに見えた。
意味のない、ただ残ってしまった習慣は祈りだ、きっと。
欲しいものに欲しいと告げたらもういなくってしまうかも知れないから――伸ばしかけた手は窓際のカーテンを掴み、舞い落ちる雪を掴み、太陽の光を掴み、貴方の背中には触ることもなく――
こぼれ落ちていく様が、すこしだけ長くなっているだけだ。
夢の中でだけ対等になれた。
お人形でも抱いているみたいに機関銃を持って。
誰かの足音に耳を澄まして。
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