ナノ・チュッパチャプス

第1話

大手メーカーのギリコは新商品として｢ナノチュッパチャプス｣を発表した。

飴玉の大きさは従来のサイズの一億分の一である直径約３nmである。

味の種類は通常のものと同じく１０種類以上あるが、電子顕微鏡を用いないと区別がつかない。

開発者曰く、｢現在の最新の技術を使えば、どのくらいのサイズまで小さくできるかトライしてみた。まさかこんなに小さくできるとは思っていませんでした｣

と苦笑いで語ってくれた。

だが、こんなに小さくして食べれるんですか？という質問に対しては

｢それは問題ありません！食べやすいように棒の大きさは変えていませんから！｣

と自信たっぷりに答えてくれた。

新商品を見ると確かに棒の大きさは変わっていなかった。

試しに一つ頂いてみたが、味はしない。

そのことを開発者に問いただしたところ、笑いながら答えてくれた。

｢包み紙は剥がしましたか？｣