欠番
実はこの前の話としてTV出演のことを書きました。
が、出演時の契約で内部のことは秘密にするみたいな書面にサインさせられたんですよね……。
別にTV局や制作会社やタレントさんに不利益なことは書いてはいないのですが、とりあえずお蔵入りにさせてもらいます。
膨大な違約金とか請求されても払えないので……。
もし、楽しみにされていた方がいたらすみません!
さて、TV出演には実に1年ほどのダイエット期間を要して、32キロ体重を減らすことに成功。
60キロ台はなんと小学生の時以来!
知り合いに遭えばかなり大きな驚いた声で「痩せたね!」なんて言われるから恥ずかしかった。だって、世間ではまだまだ太め女子。
通行人に「え? あれで痩せたの?」って絶対に思われる。
でも『デブ→太め』の変化は大きな差。
人生は明るい方向へ変わり始めた。
……とはいかないのがわたしなのだ。
職場が異動になったと以前に軽く触れたけど、この頃には宅配便のイチ営業所から複数の営業所を管理する主管支店というちょっと大きな建物に異動になっていた。
仕事の内容はサービスセンターの品質管理担当。
そう、いわゆる苦情処理係なのだ。
荷物が届かない、壊れていた、ドライバーの態度が悪い……。
毎日毎日お客様に怒鳴られ、嫌味を言われ、電話口で泣かれる始末。
会社同士の荷物の破損って実はけっこう楽だったりする。
「すみません、配達した荷物が壊れてしまっておりまして……」
「あぁ、代替品送りますね。今日取りに来てください。その時に請求書渡します」
こんな感じ。
もちろん、中には「え? 書類が届かない? どうすんだ、○億円の取引がパァだ!!」なんてこともあるけど、ごく稀。
大変なのは個人同士で「手作りのジャムの瓶が割れてた」とか「修学旅行に行くために一人暮らしの姉から借りたバックが届かない」とか。
「メール便で送ったコンサートチケットが届かない」
これは実際に電話口で若いお嬢さんに泣かれた案件。
メール便でチケット送っちゃいかんのですよ。宅配便と違って保証できるのは運賃のみなので80円しか返金できないのだ。
(わたしの知識はあくまでも当時のものなので今は変更している可能性があります)
わたしとしては同じチケットは用意できなくてもチケット代くらい補償してあげたい。
でもできない……。
「メール便の約款で……」なんて言っても10代後半~20代前半の彼女は理解してくれないし。
同じ営業所で働いている○○っていうドライバーさんが普段一生懸命仕事をしているのに、たまたま落としてしまい、割れちゃったっていうならわたしも誠心誠意お客様にお詫びすることができるけど、一体、誰がどこで、どんな仕事ぶりでミスをしたのかわからないまま、それを追及することもできないままお詫びするのは本当に嫌だった。
ドライバーさんか仕分けの人かメール便担当のバイトさんか、誰のミスで起きたことかわからないけれど、ミスした人は自分のミスでサービスセンターの人がお詫びしているなんてまったく知らないままっていうシステムだったし。
誰かが「ま、いっか」っていう気のゆるみで犯したミスでわたしはいま、お客様に罵られている。
そう想像してしまうと、真面目に仕事に取り組むタイプのわたしは吐き気がするほど嫌だった。
ドライバーさんに「荷物事故の代替品の引き取りに行ってください」って頼むと「ハァ? そんな暇ねぇよ」って言われれたこともあるし。
(もちろん、「わかりました」って言ってくれるドライバーさんがほとんどでしたが)
この仕事でお給料をもらっている。
それはもちろんその通りだけど、自分で望んだ部署異動ではなかったし、わたしはもともと引きずるタイプの性格なので同僚よりもダメージが大きかった。
わたしと同時期に異動になった年もほぼ変わらない同僚でも終業時間になるとすぐに仕事のことは忘れるって言ってたけど、わたしはずっと「あのお客様可哀そうだったな」って心配したり、お客様に浴びせられた暴言を思い出したりしていた。
ダイエットは順調だったし、Tとの遠距離恋愛もうまくいってたけど、その幸せが帳消しになってしまうほど、仕事がつらかった。
そしてちょっとずつ、あの叶わぬ恋を思い出していくことになる。
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