self-difence force

わたしは短大卒です。

わたしの行っていた短大は1限から5限までだいたいあって、たまに6限まであったりした。けっこう遠かったし、バイトもしてたし、教職も取ってたりしたので(途中で挫折したけど)かなり忙しかったイメージがある。

だから四大生の人たちが何やら楽し気に合コンだのサークルだのやってるのがうらやましいなぁと思ってはいた。(合コンなんて行く勇気はないけど)

だからバイトを二つ掛け持ちしながら大学に通っているTがなんだかやたら家にいても、四大は余裕があっていいなぁくらいにしか思っていなかった。


で、突然の「単位足りないから留年決定した」に驚かされたのだった。

しかも、「来年真面目に行っても進級できるかわからない」ほど深刻だということで、結局大学は中退してしまった。

それでTは就職することになったのだけど、就職先に選んだのは自衛隊だった。


自衛隊は入隊してすぐは教育隊っていう完全寮みたいなところに入る。

そこは家から車で片道2~3時間かかるところにあったのだけど、普段高速道路なんか使ったことのないわたしが首都高使って月に2、3度はTの休みに会いに行った。

しかも「運動競技の平均タイムが悪かった」とか「誰それが規則を破った」とかで連帯責任ですぐに外出禁止になってしまうので、片道3時間近くかけて行ったのに会えなかったなんてこともしばしばだった。

それでも会えばうれしそうな顔をするし(口では絶対にうれしいと言わない)、

自分がここまでして会いに行っている!という満足感のために嬉々として通っていたような気がする。


そしてTは教育隊を終えて、地方の基地に配属された。

車で片道3時間だったのが今度は新幹線と在来線を使って6時間ほどに変わったのだ。

わたしたちは中距離恋愛から本格的な遠距離恋愛になった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る