スマホゲームから美女召喚 ~どうやら俺、異世界戦争に巻き込まれたようです~
リュウ
第1話 プロローグ
「あ~何か面白いゲームないかな」
俺、市川啓太(いちかわ けいた)は二十歳になったばかりのニートだ。
通っていた大学を中退して、実家に帰る事もなく、ただアルバイトをしてその日を暮しているだけだ。
そんな俺の楽しみはネット小説とスマホのゲーム。
最初はパチンコやスロットをしていたけど、勝つ事が少なく、負けまくって金欠になり、水とだけで生活した辛い思い出により、トラウマとなって止めた。
そして、それからは金のかからないネット小説とスマホのゲームを楽しみにしている。
一時期はネット小説に投稿して『書籍化して一攫千金だぜ』と思い、様々なテンプレを用いて投稿したけど、鳴かず飛ばずで止めた。
今は専ら読専だ。
まぁネット小説を読んでいると『俺も車にひかれて死んだら異世界に転生するかな』とか思ったけど、痛いし止めた。
そもそも、冷静に考えたらそんなのあるはずがない。
なので、俺はとりあえず実家にも帰らずその日暮らしをしている。
今はネット小説で愛読している作品の更新チェックも終わり、スマホのゲームをしようかと思っている。
でも、スマホのゲームも今やっているは飽きたので、何か新しいのを探しているけど、なかなか俺の探している条件に合うもので面白そうなのがない。
俺はパチンコとスロットで辛い思いをしてから、一つのポリシーを立てた。
それは無課金!
俺はアルバイトという不安定な職の為、課金等いう名のギャンブルを捨てた。
スマホゲームのガチャは下手すると、スロットやパチンコ以上にハマってしまうし、熱くなって課金してしまう魔の誘惑がある。
俺はそれに手を出さないと近い、無料ゲームのログインボーナスと無料ガチャで楽しむと決めていた。
でも、その条件で探すとなかなか無課金で楽しめそうなゲームがなかなか少ないのだ。
「新しいゲームっと……これなんだ?」
俺が新たな無料ゲームを探していると『異世界戦争』とういう無料ゲームを見つけた。
まぁ名前の珍しさもさることながら、アプリの説明に『先着20名』と書かれている。
先着20名? なんだそれ?
アプリで先着20名とか訳の分からない説明に俺は興味を持った。
もちろん無料と書かれてある。
「これ怪しすぎだろ……」
とは口で言ってたものの、興味が上回り、俺はインストールを押す。
「まぁ先着20名だしきっと無理――できたのかよ……」
面白半分、無理だろうっての半分でインストールすると無事にインストール出来てしまった。
「ま、まぁ無料だしやってみるか」
少し自分の軽はずみな行動と、先着20名なのにインストール出来てしまったことに不安を覚えながらも、俺はアプリを起動させる。
どうかウイルスとかにかかりませんように……。
俺が『異世界戦争』のアプリを起動させると、いきなり画面の背景が水色になり、白い文字が浮かぶ。
実に読みづらい。
「なんだよこれ……普通チュートリアルでももっと凝ってるぞ」
そこに映し出されるのは、水色の背景に白い文字だけ。
「まぁ無料だしな。って今どき無料でももっとクオリティ高いけど。まぁチュートリアルまではやってみるか」
過去に面白くなさそうなゲームでも、チュートリアルまで進むと面白かったゲームもたくさんあったし、とりあえず俺は進めてみる事にした。
『ようこそ異世界へ。……いや、そちらの世界にお邪魔するから、お邪魔します?
まぁとりあえず話を進めます。
私は異世界シルフォニアの神、セシリスと言います。
今シルフォニアでは二大大国のウェルゼン王国とジルゴート帝国が争っています。そのせいでシルフォニアは多大なダメージを受け、星そのものが壊滅しそうになっています。
なので、シルフォニアの神である私、セシリスの独断でこのアプリで勝利した国が戦争の勝者とさせていただく事にしました。そこであなたにも協力してもらいます。まぁ代理戦争みたいなものです。
まず、この戦争……いや、アプリは無料ですが、初回の11連ガチャ以外はガチャを回せません。
最初の運がすべてです。
あとはガチャに出てきものを武器に戦ってください。
では、グッドラック!!
……あっ、言い忘れてました!
最初にどちらの国にするか選んでくださいね!
各国十人までで先着です! では、ごきげんよう!!』
……。
うん、とりあえず突っ込みどころが盛りだくさんだ。
いや、説明文だけはキャラが立っている分いいと考えるべきか……。
俺がそう思っていると、スマホの画面に『ウェルゼン王国 ジルゴート帝国』と表示された。
「……まぁガチャはだけは回してみるか」
そう決めた俺はどちらの国にするか決める。
うーん……やっぱ何となくだけど帝国ってのは良いイメージがないし、王国か?
……いや、帝国の方が強そうなキャラが多い気がするけど……。
「こっちだ!」
俺は勢い良くウェルゼン王国をタップする。
なんとなく、悪役のイメージより正義っぽい方が良かったからだ。
まぁどうせ続けないだろうし。
『ウェルゼン王国ですね。では、次にガチャを回してね!』
……なんなんだこの自称神キャラは……口調バラバラじゃないか。
俺はもうこのゲームには期待はしてなかったけど、ガチャを回してみる事にした。
というのも、メッセージの後に、『異世界11連ガチャスタート!』と表示されたからだ。
なんとも力が抜ける。
このゲームにもはや期待はしていないけど、ガチャというのは心を熱くする。
俺はガチャでどんなレアを引けるかだけ、期待して気合を入れ、画面をタップした。
『……N たわし ……N たわし ……N たわし ……N たわし ……N たわし ……N たわし ……N たわし』
……たわしってなんだよ!!
しかも11連のうち7回連続ノーマルって!!
『……SR スキル 鉄壁の肉体 ……SR 魔法使い シャーリー ……SSR 王女 ファリン ……SSR 死者蘇生薬』
と思ったら、今度はレア祭りかい!!
しかも、SRとSSRばっかって……。
まるで、パチスロに生活費の補填を求め、逆にレギュラーばっかで生活費がなくなって泣きそうな時に、ビッグが連続して嬉しかった時のジャ○連みたいだな。
てか、俺もしかしたら一生分の運をこのゲームに使っちゃたんじゃない!?
と、俺がそんな事を思っていると突如スマホの画面が眩く光りだす。
「うわっ!!」
俺はあまりの光に眩しすぎて目を閉じた。
「なんだったんだいったい……なんじゃこりゃ!?」
光が収まって目を開けると、そこにはビンに入った怪しい液体、そして、銀髪のハーフアップにゲームで見るような姫騎士のような女性、青髪ボブカットで、魔法使いのような恰好をした女の子……いや、女性と7つのたわしがあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます