第1439話 最後の道へ

「眼の前の兵器が最終関門なのかしらね?それともブントの首領がそうなのか、何方にしても此処で時間はかけられないわ」

「ええ、一刻も早く先に進まなければならない。

その為にも今は!!」


コンスタリオと岬はこう言葉を続けると目の前に現れた兵器に向かって接近していき、格闘術を兵器に叩き込んでいく。

その威力は今まで以上のものになっているのか兵器を瞬く間に蹴散らしていく。

勿論中には青制御と赤制御も混じっているがそれぞれが有効な方の兵器に対してすぐさまもう一撃を叩き込んでいき、それで兵器を掃討する事に成功する。

そのまま二人が行動を終えた後、目の前には兵器の残骸が転がっているだけとなっていた。


「早いな……此処までの力を出しているなんて……魔力と妖術の相乗効果が起こっているとでも?」


コンスタリオと岬が瞬く間に兵器を蹴散らした事を見て天之御は内心に一つの疑念を抱く。

だがその疑念を口に出す間もなく次の兵器が出現してきそうになる。

それを確認した八咫とモイスが


「黒羽の五月雨!!」

「この距離ならこれで!!」


と声を合わせて鋭い先端の羽と狙撃銃を兵器目掛けて飛ばしていきその接近を許す前に破壊する事に成功する。


「遠距離からの攻撃で接近される前に撃破する、セオリーでは有るけどあれだけの威力を発揮出来るものなの?それとも何か他の要因が作用している?」


兵器の破壊には成功したものの、あまりにもスムーズに行き過ぎている事に星峰も又、先程の天之御と同じ様な疑問を抱く。

しかし、それすらも問いかける時間を与えない程に兵器が迫ってこようとする。


「つっ、これではきりがないわね……いえ、プラントを破壊している以上キリは有るんでしょうけど」


目の前から尚も迫る兵器に対しコンスタリオがそう呟くと涙名は


「確かにそうかも知れないけど、此処で何時までも時間を浪費する訳には行かない。

素早く決着を付けるよ!!

闇妖術……漆黒の移転」


と言って兵器の目の前に黒い膜を出現させ、その膜で迫る兵器の行く手を遮って包んだ兵器を何処かへと飛ばしていく。


「あの膜……兵器を何処かの異空間に隔離しているの?だとしたらそこでは何が行われて……いえ、それは今考える事ではないわね」


コンスタリオがこう内心で何かを考えると同時に涙名が出現させた黒い膜は消滅し、先への道が拓ける。


「兵器の出現が止まったね……戦力を使い果たしたのか、それとも罠なのか……」

「何方にしても僕達は先に進むだけだよ!!」


涙名が兵器の出現が止まった事を確認すると天之御は先に進むように大声で叫ぶ。

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