第1390話 アンナース救出
その黒い膜は床に落下してきた兵器を包み込む様に接触し、飛ばして地上に衝撃を落として着地させる。
しかし、推進装置が破損しているが故か直ぐには動き出さない。
「兵器が地上に降下したわ、急ぐわよ!!」
コンスタリオがそう叫ぶとシレットとモイスが続けて走り出し、兵器に接近する。
そしてアンナースが組み込まれている部分に肉薄するとコンスタリオは
「アンナース、やはり拘束されているのね……」
と兵器に組み込まれているアンナースを見て改めてその状況を把握する。
「もう少しだけ待ってて、今何とかするから!!」
コンスタリオはそう言うとアンナースが拘束されている場所に格闘術を叩き込んでいくが全く手応えが無い、いや攻撃の衝撃が吸収されているというべきだろうか。
「つっ、何なのこの部分は……攻撃が通用していないというの?」
「アンナースの周囲を衝撃を吸収する素材が包んでいるようだね、此処は任せて!!」
コンスタリオがアンナースが囚われている部分に対し攻撃を仕掛けるが効いていない事を確認するとそこに天之御が駆け寄ってくる。
先程の黒い膜を出現させた際の声と同じであり、どうやら先程の幕は天之御が出現させたもののようだ。
だがコンスタリオがそれを聞く余裕等有る筈もなく
「任せてって、どうするつもりなの?」
「こうするに決まっているよ!!」
シレットが天之御に問いかけると天之御は剣を出現させ、その剣で兵器がアンナースを拘束している部分に対し切り込みを入れていく。そして上手くアンナースを傷つけない様に剣を一周させてその部分を破壊しアンナースに直接触れられるようにする。
だがアンナースが前に出てこない所を見るとどうやらアンナースは兵器の方に拘束されているようだ。
「つっ、兵器の方に拘束されているのか、これだけだと救出出来ないって訳か!!」
「後は私達がやります!!」
コンスタリオは兵器に接近するとアンナースの体を掴み前に引き剥がそうとする。
すると兵器からアンナースは引き離され、その体を拘束していた兵器の一部が絡みついているのが確認出来る。
「残っている繰糸は断ち切るよ!!」
天之御は再び剣を構えるとアンナースを拘束している兵器の部分を破壊しアンナースの体を開放する。
「君達は彼女を早く安全な所に!!この兵器そのものはまだ破壊出来ていないんだ」
「分かったわ、二人共まずはアンナースの安全を最優先に考えるわよ」
天之御がこう叫ぶとコンスタリオは頷き、シレットとモイスを連れてその場から一旦距離を取る。
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