第1385話 決戦の幕開け

「此方の内心を察したって事なのかね?このタイミングで降下してくるっていうのは!!」

「シレット、モイス、今回が最後の機会よ、もう次はない」

「言われなくとも承知していますよ、あの兵器を破壊してコンスタリオを救い出します」


コンスタリオ小隊がそれぞれ気合を入れた発言を行い、それを横目で見ていた星峰と涙名も


「彼等があそこまで気合を入れるのも珍しいものがあるね、それだけ彼女を救済したいという事なんだろう」

「なら、私達もそれに遅れる訳には、ましてや足を引っ張る訳には行かないわよ!!」


と気合を入れているのが見える。

其の様子を見ていた天之御達も口にこそ出さないものの、それは同じであった。

するとまたしてもそれに反応したのか、兵器は一同がいる床目掛けてレーザーを放ってくる。


「狐妖術、白銀の魔鏡」


レーザーに気付いた空狐がそう叫ぶと其の進路上に白い鏡が出現し、それがレーザーを反射して進路を壁へと歪める。

レーザーが直撃した壁は見事な迄の抉れた穴を見せ、其の威力の凄まじさを物語る。


「さっきの部屋で兵器が床に撃ってきたレーザーより穴の抉れが凄いわね……それだけの威力を持っているというの……」

「ええ、正直壁の厚さ次第では貫通していても可笑しくないレベルだと思うわ。

となるとやはり、あの兵器は此処で生産されている全ての兵器の起源又は上位機種と考えてまず間違いないでしょうね」


レーザーの威力にコンスタリオが困惑すると其の困惑に続けて星峰が何時もの冷静な分析を行う。

壁に空いている穴が其の分析を裏付けているだけにコンスタリオの表情も慎重な物となる。


「とにかくまずは攻撃するぜ!!話はそれからだ」


モイスはそう言うと銃弾を兵器に放っていくが装甲部分はともかく、一見すると薄いガラスで覆われているだけのアンナースが格納されている部分にさえ銃弾で傷をつける事が出来ない。


「つっ、何て装甲だ!!アンナースの居る場所にさえダメージを与えられないってのかよ!!」

「なら今度は私が!!」


そう叫んだシレットはモイスに変わり雷撃の魔術を放って兵器を攻撃するが、その魔術は兵器の表面に接触すると同時に霧散してしまう。


「あの霧散の形……先程までの兵器と同じ青制御の物ね、ならあの兵器も?」

「だったら俺も加わるぜ!!」


シレットの雷撃魔術を霧散させた光景を見た空狐がこう告げると八咫が羽を広げて飛び立ち、兵器へと接近していく。

だが兵器も当然そうそうに接近を許してくれる筈がなく、八咫に機関銃らしき銃口を向けてくる。

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