第1383話 最悪の再来
「ただ広いだけの空間……で終わってくれれば良いのですが」
「残念ながらそうは問屋が卸してくれない様ね」
涙名と星峰のこの言葉がまるで口火になったかの様に上からゴオオッと何かが落下するような音が聞こえてくる。
「この音は!?」
「魔王妖術、純白の守護!!」
コンスタリオが音に反応すると同時に天之御は魔王や妖術という言葉とはかけ離れた名称の術を使い、一同の周囲に白い膜を出現させる。
其の直後に音の元凶と思われる何かが落下して膜に直撃し、大爆発を起こす。
無論膜は無傷であり、一同も傷一つ無く無事に攻撃を凌ぐ事が出来たが其の顔に安心感は無い。
「上からの攻撃って事は、この部屋にも存在しているのか!!」
「皆、膜の解除と同時に迎撃体制を整えて、仕掛けてきた張本人がお出ましだよ」
モイスが上空からの攻撃を先程の螺旋階段の部屋と同じく上空からの兵器による攻撃であると判断すると同時に天之御は部屋の天井を見上げ、その判断が正しい事を肯定する発言をする。
そして其の直後、一同が交戦体制を整えたと同時に天之御が膜を解除し、天井から硬化してきた物体を確認する。
「ちっ、やっぱり兵器だったって訳か!!」
「しかもさっきの部屋の奴より大型ね……アレだけの巨体だと一箇所推進装置を破壊したくらいで止めるのは不可能だわ」
其の物体が先程交戦した物よりも大型の迎撃兵器である事を確認した八咫と岬の言葉に続き、モイスが
「なら構わずに破壊するだけだ!!」
と言って銃を構えるとコンスタリオも
「ええ、例え上空に存在していたとしても今の戦力なら……」
と同意し兵器に攻撃を仕掛けようとする。
だがその時天之御が
「いえ、コンスタリオさん、あの兵器の腹部を見て下さい」
とコンスタリオに呼びかける。
「えっ!?どういう……」
「良いから良く直視して下さい!!」
天之御の声に促されるままにコンスタリオは、そしてそれに続けてモイスとシレットも兵器の腹部を注視する。
すると天之御がそういった理由と思われる中心部分にある生命の姿が見えてくる。
「一寸、あれって……」
「アンナース!?アンナースなのね!!」
するとコンスタリオ小隊は腹部に組み込まれているのがアンナースであるという事を理解する。
天之御が先程叫んだ理由がこれである事も。
「何て事……奴等は又アンナースを兵器の整体制御装置に利用している」
「いや、もしかしたら今の彼女はこれまでで最悪の状態かもしれません……」
困惑するコンスタリオに対し、天之御は更に気掛かりな発言をする。
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