第1379話 重苦しさの先に
「ええ、如何にも何かが隠されている秘密の通路……という表現すら生温く感じてしまう程の何かが此処には隠されている、そんな気がするわね。
それに此処に入ってから兵器が出現していないのも気になる、扉にあんな仕掛けを施して守っていた場所が何事も無く通り抜けられる様になっているとは到底思えないもの」
コンスタリオが内心に感じ取っていた不気味な空気を口に出すとシレット、モイスもそれに同意したのか首を縦に振る。
だが其の予想に反し一向に兵器が出てくる気配すら見られない。
「この静けさ、此処も罠なのか?」
先程の一軒があるためか、モイスがこの通路も罠なのではないかと呟く。
それに対しシレットも
「其の可能性もあると思うわ、これだけ静かだと余計にそう思いたくなる。
だけどそれすらも突いているのかもしれない」
と其の更に裏をかいているのではないかという非常に穿った見方をしつつも否定はしない。
そう話しているとコンスタリオが
「二人共、目的の場所はどうやら遠くなかったみたいよ」
と良い、二人に目の前に目をやる様に告げる。
そう告げられた二人が目の前に視線をやるとそこには先程と同じく扉が存在していた。
其の扉も又兵器ではないのかと三人は慎重に近付いて行き、其の取っ手に手をかける。
今度は兵器から触手が伸びてくる様な事はなく、単なる扉でしか無い事を確認すると一同は扉を開け、中に入っていく。
するとそこには中央部分に塔の様な形の螺旋階段が設置されている部屋が存在しており、其の麓部分には端末らしき物が存在していた。
「この階段の先に何かが存在しているのでしょうか?」
「其の可能性は高いと思うわ、そしてそれを知ろうと思ったら」
「其の端末を動かしてみろって事か」
三人の意見は麓にある端末を操作して情報を得る事で一致し、まずは其の端末を操作し始める。
するとそこにはこの塔の構造とその先に何があるのかが表示される。
「どうやらこの塔の先にもデータルームが存在しているようね、だけどこの塔の構造、そしてこの端末を操作しなければ開かない扉というこの端末を操作する事が前提になっているわ」
「となると、そんな端末を操作すれば……」
コンスタリオの分析にシレットが一抹の不安を抱き、そして其の不安が的中してしまったのか階段の扉と入ってきた扉が閉まり、更に上から多数の飛行型機動兵器が出現する。
「つっ、迎撃部隊の登場って訳か!!こいつらを始末しねえと先には進ませて貰えそうにねえな」
モイスはそう言うと銃を構える。
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