第1353話 星峰の戦い

「ああ、豊雲の方の迎撃には人族側の魔王陣営の皆も協力してくれている。

恐らくこの協力がブントに知られたら彼等は間違いなく処刑されてしまう、そんな事をさせない為にもこの施設は何としても制圧しないといけない」

「制圧する理由が更に増えたって訳だ、まあ、元々そうするつもりだったけどよ。

更に負けられなくなったぜ」


涙名と八咫は念押しするように一同にこう話し、それを聞いた空狐が


「そうね、これ以上奴等の思い通りにさせる訳にはいかないわ。

何としてもこの施設を抑える必要がある」


そう告げると岬も


「その為にもまずはこの生産プラントを制圧しないといけないわね」


と言葉を続ける。


「さあ、俺達の方は以上になるが、次は星峰と殿下、何方のお話を聞かせてくれるんだ?」


八咫がこう告げた後、先に返答を行ったのは


「なら、私が先に話すわね」


そう答えた星峰の方であった。


「私の方は……」


星峰はこう口火を切ると他の面々に自分の方の戦いを話し始める。


~作戦開始直後へ~


他の面々と分かれた星峰は自身が担当する通路へと向かっていき、その足を早めながら


「狐妖術……明白の閃光!!」


と言って自身の尻尾の先端に光の球を灯し、その光の球から次々と小さな魔力を放って周囲の生産プラントを破壊していく。

その攻撃は途轍もない素早さで行われ、周囲の生産プラントは瞬く間に崩壊していく。

最も、これは星峰の攻撃は赤制御の機器にも有効であるという事情も当然絡んではいるのだが。

だが生産プラントを幾ら破壊しても当然星峰の顔が直ぐに笑顔になる訳ではない、寧ろその顔は破壊していき、先に進めば進むほど険しくなっていく。


「一体この奥は何処に繋がっているというの?もしさっきの遺跡の様にこの生産プラントで生み出された兵器を何処かに送り込んでいるのだとすれば一刻も早く対応する必要がある。

地上への侵攻と言う最悪の形を阻止する為にも」


内心でそう考えた星峰は更にその足と尻尾の先に灯した光の珠の攻撃を激しくし、周囲を崩壊させながら足早に進んでいく。

だがその行く手を阻むと言わんばかりに目の前に兵器が出現し星峰の前に立ち塞がる。


「つっ、流石にここまでプラントを破壊されては黙っている訳には行かないって訳か、だったらこっちにも好都合!!思いっきりやらせてもらうわよ」


星峰はそう言うと剣を構え、目の前に集合している兵器に向かっていく。

一方の兵器はいきなり向かってきた事に呆気に取られたというわけではないだろうが、星峰の動きに対応出来ず、瞬く間に両断される。


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