第1347話 他の道の先は

「これでここから先に兵器が行き来する事は無くなったわね、早く戻って殿下達と合流しないと!!」


岬がそう空狐に告げると空狐も頷き、そのまま踵を返し続けてプラントの上流へと戻っていく。

そして二人が生産プラントの上流に帰還すると他の面々はまだ帰還していなかった。


「私達が一番初めに戻ってきたみたいだけど、他の皆や殿下は大丈夫なの……」

「ええ、確かに心配……する必要はなかったみたいよ」


心配の声を上げる岬と空狐だったが、空狐は直後に前言撤回し笑顔を見せる。

其の笑顔の先には他の生産プラント先に向かった面々が戻ってくる。

其の時間は粗同時であり、奇妙な符号すら感じる。


「皆さんの方はどうなっていたのですか?私達の方は……」


空狐は一同に対し質問すると同時に自分達の方で何が合ったのかを説明する。

それを聞いた空狐は


「キャベルの方に輸出していたとはね……だけど空狐達が対応してくれたお陰で防衛部隊を展開する事が出来た、ありがとう」


と二人に感謝の言葉を述べる。


「感謝してくれるのは嬉しいけど、貴方達の方はどうだったの?」

「ならまずは僕達が話すよ」


岬の問いかけに対し、真っ先に口火を切ったのは涙名であった。


~プラント突入時に時間が戻る~


プラントに突入した涙名と八咫は少しの間兵器の迎撃等は無く順調に先へと進んでいく。


「今の所兵器や迎撃システムの存在はねえな、だがこの状況……」

「うん、そこまで静かなのが却って不安にさせてくれるね……」


だが二人のこの言葉からも分かる様に兵器や迎撃システムの存在が無い事が二人の内心に却って疑問と不安、焦燥感を募らせる。


「急がなきゃならねえのは分かってるが、プラントの破壊も重要だからな。

今の内に攻撃しておくか!!」


そう言うと八咫は羽を舞わせて周囲の機器に対して攻撃を開始する。

其の結果機器の一部を破壊する事には成功するものの、やはり赤制御も混じっており破壊出来ない箇所もチラホラ見受けられる。


「やはり赤制御の機器も混じってやがるな……涙名、赤制御の部分は任せていいか?」

「うん、僕に任せて!!」


八咫の頼みに対し涙名は頷き、赤制御のプラントを攻撃して破壊する。

やはり涙名の攻撃は赤制御に対して有効な様だ。

それを見た八咫は


「やはり涙名の攻撃は有効か……一体何が違うんだ?いや、それとも……」


と分かっている事でも改めて疑問を抱く。


「八咫、どうやら迎撃部隊が来たみたいだよ!!」


疑問を抱き思案する八咫に対し、涙名がこう呼びかける。

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