第1318話 絶望の先の希望へ
更にそこに通信が入ってくる。
「通信?一体何処から?」
涙名がそう告げると同時に天之御が通信機を手に取る。
すると例の秘密基地からの通信である事が分かる。
「秘密基地から!?一体何が……」
天之御がそう言いながら通信を繋ぐとその先に居たのは基地司令部の面々であった。
「殿下、此方に最も近い遺跡の箇所に再び兵器の熱源を確認しました」
そう告げる司令部の面々の声に一同の顔は一瞬で曇る。
「最初の遺跡エリアに再び兵器が出現したって事!?そんな……」
ここに来ての兵器の再度の出現に空狐の顔が曇る、そしてそれは他の面々も同様であった。
最初のエリアに兵器が再び出現したという事は秘密基地が再度襲撃されるリスクに晒されているという事であるのだから。
「幸いにも最初に出現した物よりも数はずっと減少しています、この程度の数であれば我々だけでも迎撃可能です。
司令官も自ら陣頭指揮を取る為に遺跡へと向かわれました、ですので皆さんはそのまま進撃して下さい。
此方の防衛はなんとしても我々が成し遂げてみせます!!」
秘密基地の司令部の面々はそう告げると一同が何か言い返す間も無く通信を切断する。
「彼が陣頭指揮を取る為に現地に向かったといっていたけど、その内実は自らも迎撃に加わる為なんだろうね……」
「うん、あの性格ならきっとそうすると思う、だけどその身をみすみす危険に晒させるつもりはないよ。
其の為にもここは……」
涙名と天之御の其の言葉に続き、一同は大きく頷く。
そして
「ええ、このまま施設に向かい、兵器の増殖と出撃を根源から断ち切る!!
それこそが唯一にして最大の対処法よ」
と言う星峰の言葉に促され、一同は施設へと向かっていく。
しかし既に目にしている通り其の進路上には多数、否無数と言っても良い数の兵器が立ち塞がり、一同の行く手を阻もうとする。
先程と同様岬と涙名が先陣を切り、其の後ろから空狐、八咫が支援する、更に其の奥に星峰と天之御が控えるという体勢で突っ切ろうとするものの、性能が向上し、更に例によって紛れ込む赤制御の兵器の存在もあって中々先へと進んでいく事が出来ない。
「くっ、やはり性能が高いと時間がかかる……」
「焦燥感に身を任せては駄目だよ、そうなったら敵の思う壺だから」
岬が呟いた言葉に対し、天之御は敢えて告げるといった口調でこう告げる。
だが其の言い方は岬に向けられている様で実際には自分自身に対して向けられている様にも聞こえる。
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