第1317話 施設への帰還

「兵器も万能ではないということなのかもね、とにかく今は其の点を突いていくしか無い」


天之御がそう告げると一同は進撃体勢を取り、兵器の群れに対して恐れる事無く突撃を仕掛けていく。

無論、無謀な突撃をしている訳ではない、勝算が有るからこそ突撃しているのだ。

岬と涙名を先頭に突撃し、其の背後を空狐と八咫がカバーしていく。

その後ろには星峰と天之御が控え、駄目押しの陣形を整えていく。

天之御達の勢いに押し負けたのか、兵器の集団は徐々に其の数を減らし集団に穴が空いていく。

其の勢いが実ったのか、遂に施設へと戻る道を確保する事に成功する。


「施設への道が見えてきたわ、そして其の奥からも兵器の姿が見え隠れしている……となるとやはりあの施設で生産された兵器なのでしょうか?」

「其の答えもあの施設、遺跡に戻る事が出来れば見えてくる筈だよ、急いで戻って其の答えを確認しよう!!」


空狐と天之御の言葉を受け、一同は更に其の勢いをまして兵器の集団に向かっていく。

しかし兵器にとってもその施設は重要な場所なのか其の抵抗は明らかに激しさを増していく。


「兵器の抵抗が激しくなって来たわね……それだけこの先が重要ということなんでしょうけど!!」


空狐はそう言うと剣を抜き、兵器に向かって再び先程の狐妖術、紫苑の風刃を振るう。

其の攻撃はやはり兵器に命中し、兵器の集団を両断する。


「やはり私の攻撃は命中しているわね、学習するまでも無いということなのかしら」


そう語る空狐の声は少々不機嫌でもあり、又安堵している感もある複雑な物であった。


「この調子で先に進んで行こう!!まだ戦いが終わったわけじゃないんだから。

否、寧ろここから先こそが本番なのかも知れない」

「コンスタリオ小隊の現状も正直気になる所だからね……あまり長く時間を掛ける訳には行かないわ」


天之御と星峰がそう告げると同時に兵器の集団が途切れ、施設へとつながる通路の出口が見えてくる。


「出口が見えてきましたよ!!さあ、急ぎましょう」


岬がそう告げると同時に一同は残っている兵器を掃討し、遂に施設と其の周辺に有る居住区のエリアへと戻ってくる。

しかし、そこもこれまでの二エリアと同様明らかに先ほどとは違う光景が広がっており、兵器で埋め尽くされていた。


「くっ、ここも兵器で埋め尽くされている……しかも其の数は尋常じゃない」

「それだけじゃないよ、兵器の性能も明らかにこれまでの物より性能も高い!!}


兵器の数に困惑する空狐に対し、天之御は其の性能もこれまでより上であると告げる。

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