第1310話 狙われる殿下

「入口付近の兵器は何とか掃討出来た……だけどこれで終わった訳じゃない、次が来る前に急ぎましょう!!」


星峰がそう叫ぶと一同は顔を合わせて頷き、先程来た道を逆走して施設へと続く通路を潜っていく。

トンネル状の通路を潜り、居住区エリアに出るとそこには既に先程の遺跡エリア以上の兵器で埋め尽くされていた。


「何て数……さっきの遺跡以上の数で既に辺り一面が埋め尽くされています……」

「ああ、これは相当な消耗戦を覚悟するしかねえな……この数を突破するとなると一点突破しかねえか……」

「いいえ、この数にそれを仕掛けると取り囲まれて袋叩きにされかねないわ、ある程度は全体的に数を減らさないと」


兵器の余りの数に唖然とする岬に対し、八咫は強行突破を提案するが星峰は其の危険性を告げ、全体的に数を減らすべきであると告げる。


「確かに星峰の言う通りかも知れねえが、この数でそんな悠長な事を言っている場合なのか?」

「ええ、其の点は私も承知はしているわ。

最悪はさっき八咫が言ったように強行突破するしか無い、けど出来るだけ数を減らさないと私達だけじゃなく秘密基地の皆も危険に晒される事になる、其の点は忘れないで」


八咫の反論に対し星峰は其の反論は正当である事、そして其の上で最悪はや他の言う通り強行突破するしか無いという事は承知していると言う事を告げる。


「星峰も其の点を分かってるって訳か、だが逆に言えば星峰がそう考える必要があるって事位この状況は不味いって事でも有るんだな……」


自身の反論が肯定された事により、八咫はこの状況に対し寧ろ危機感を抱く。

星峰の性格から判断して強行突破に賛同するとは思えなかったのだろう、それに賛同しているという事が既にこの状況の危険性、異常さを物語っていた。


「だったら又僕が!!虚無の……」


天之御はそう叫ぶと先程と同じく虚無の終焉を使おうとするが其の構えを見せた直後に市街地に居た兵器が一斉にミサイルを天之御目掛けて発射してくる。


「市街地の兵器が一斉に攻撃を!?殿下!!」


攻撃を仕掛けてきた事に動揺を隠せない声で空狐が叫ぶ。

一方天之御は飛んできたミサイルに対し


「魔王妖術……漆黒の霧散!!」


と言って黒い壁を出現させ、それに接触したミサイルを其の名の通り霧散させて消滅させる。


「ミサイルは全て消滅させたけど、僕が妖術を使おうとした瞬間を狙って攻撃してきた、これは偶然なの?」


天之御はそう告げると再び虚無の終焉を使おうとするが、それに合わせて再び兵器がミサイルを発射してくる。

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