第1283話 迫る赤い脅威

首を縦に振った直後にシレットが


「サンダー・ウェーブ!!」


と言って扇形に雷撃を放ち、それを兵器に直撃させると兵器の内幾つかは破壊される、だが中には明らかに直撃しているにも関わらず無傷を保っている兵器も存在していた。


「直撃は確認出来たけど無傷の兵器も存在している……と言う事はつまり、この兵器は赤制御の可能性があるという事ね」

「赤制御については現状の私達で破壊するのは殆ど不可能よ、攻撃の回避に専念して!!」

「ああ、だが動き回らせておく訳にも行かねえ、此奴等は俺が足を止める!!」


赤制御の兵器が混じっている事を確認したコンスタリオ小隊はそれぞれ口々に対応を開始する、だがモイスは明らかに兵器に対し攻撃を仕掛ける主旨の発言をしていた、それを聞いたコンスタリオは


「モイス?足を止めると言ってもそれは……」


と釘を刺す様な発言を言いかける。

モイスの発言に何処か危険な物、無茶な物を感じたのだろうか、だがモイスは


「足を止めるって言っても此奴等を倒そうってんじゃねえ、要はこういう事だ!!」


と言うと手にした銃に徹甲弾をセットし、赤制御である事が判明している兵器の足元、或いは関節部分を狙って打ち込んでいく。


「成程ね……正に言葉通りの意味だったって訳か」


その流れにコンスタリオも妙に納得した表情と言葉を述べる、だがモイスは


「納得すんのは後だ!!小型兵器だから自己修復こそしてこねえがこの数に取り囲まれちまったら不味い!!」


と話し、神経を現状突破に向ける様に促す。

それを聞いたコンスタリオも


「そうね、今はこの状況を切り抜けるのが最優先。

納得してじっとしている訳には行かないわね」


と意識を現状へと戻し、兵器に対して格闘術を叩き込んでいく。

だがその内の一体は赤制御であり、コンスタリオの格闘術を受け止めてそのまま反撃しようとしてくる。


「つっ、赤制御が混じっている状況での格闘戦は不利ね……」


反撃に備えて受け身を取る体勢を整えたコンスタリオだがそこにモイスが徹甲弾を打ち込み、コンスタリオに反撃しようとしていた兵器の足部分を撃ち抜く。


「モイス!!助かったわ」


コンスタリオがそう叫ぶがモイスは更に銃を構え、コンスタリオの左右におり、今にもコンスタリオに攻撃しようとしていた兵器を攻撃する。


「周囲を取り囲まれている状況がここまでダイレクトに不利に働くとは……厄介ね」


モイスの行動により危機を脱したコンスタリオだがそれでも完全に脱している訳ではなく、取り囲まれている状況も打開出来ている訳ではない。

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