第1279話 コンスタリオの奇策
「隊長?どうかしたのですか?」
コンスタリオが突然言葉を止めた事でシレットが困惑した声を上げるがコンスタリオは
「この状況を打開する案があるかもしれないわ……この状況では掛けに出るしか無い、二人共、私の行動に合わせてくれる?」
と問いかける。
モイスとシレットがコンスタリオの言葉に対し首を縦に振ったのを確認するとコンスタリオは
「ありがとう、なら早速だけど私に付いてきて!!」
コンスタリオはそう告げると兵器生産プラントの最上流、つまり中核部分を製造するエリアへと向かっていく。
その行動を見たシレットとモイスはコンスタリオに付いていきつつ、モイスは兵器を攻撃して兵器が行動するのを牽制していく。
「まずはここまで来て、次は兵器を此方に誘導して!!」
コンスタリオがそう叫ぶとモイスは
「なら俺の出番だな!!此奴を此方に誘い出すんなら」
と言って銃を構え、兵器に対して乱射し兵器の注意を自分の方に向けさせる。
「隊長は一体何を……」
コンスタリオの行動の意図を完全に掴みきれていないのか、シレットが内心に疑問を抱くものの、モイスの攻撃で動き出した兵器を見てその疑問も何処かに吹き飛ぶ。
「今はそんな事を考えている場合じゃない!!私は隊長を信じると決めたんだ」
内心に浮上した微かな疑問を吹き飛ばす様に自分に言い聞かせ、シレットは兵器に対し身構える。
だがそんなシレットの様子を見たコンスタリオは
「シレット、貴方はこの部屋の上の方に視線を送っておいて、あの兵器が接近してきたら雷撃を放って!!」
と具体的な指示を送る。
その指示を受けたシレットは
「え?……は、はい!!」
と少し困惑した声を上げるものの、直様身構えて魔術を放つ準備を整える。
そして兵器が突入してくるとコンスタリオは兵器に接近し
「シレット、モイス、貴方達はこの施設の上の方を攻撃して、特に壁を重点的に破壊して欲しい!!
私はこのまま兵器に接近して注意を惹きつけておくわ!!」
そう二人に指示を送って自身は兵器と交戦し始める。
コンスタリオの指示を受けたシレットとモイスは
「壁を攻撃して破壊……そういう事か!!」
と内心でコンスタリオの真意を理解し、それぞれ魔力と銃弾を打ち込んで生産プラントを攻撃していく。
「つっ、二人共、もう少しかかる?」
コンスタリオの問いかけに対しモイスとシレットは
「後一分程です、それだけで構いませんので時間を!!」
と共に声を揃えて叫び、それを聞いたコンスタリオは
「分かったわ、そのままお願い!!」
と二人に告げ、自らは兵器と戦い続ける。
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