第1258話 発光体の正体

「表面に多数のダメージを受けた事で回復に時間がかかっているわね、今の内に攻撃を集中するわよ!!」


シレットが兵器に大ダメージを与え、表面の装甲回復を手間取らせたのを確認するとコンスタリオはモイスにこう告げ、其の返答としてモイスも首を縦に振りながら徹甲弾を兵器の中心目掛けて集中的に放つ。

其の鋤をついて体制を立て直したシレットも更なる雷撃を放ち、モイスの銃撃と合わせて兵器の中心部分を確実に破壊していく。

そしてある程度のダメージを与えた所でコンスタリオが接近していき


「この一撃で!!ビッグバン・キック」


と言って足に魔力を纏わせながら兵器に向けて飛び蹴りを仕掛け、モイスとシレットの攻撃で耐久性が低下していた兵器の中心部分に飛び込んでいく。

二人の攻撃でダメージを受け、修復が間に合っていなかった装甲ではコンスタリオの飛び蹴りを防ぐことは出来ず、コンスタリオの一撃で中心に穴が開く。

だが大型であるが故か直ぐに崩れる事はなく、コンスタリオはそのまま巨大兵器の中に突入していく。

その光景はシレットとモイスの目にはコンスタリオが兵器の中に吸い込まれているようにも見える。


「隊長、どうかご無事で……」


魔窟の中の魔窟に突入している訳ではないのだがシレットとモイスはそう思わずには居られなかった、それだけ兵器の中から異質な雰囲気が漂っている様に感じたからだ。


「此れは……巨大兵器だけあって中は有人機としても運用出来る広さは確保されているわね……まあ、それだけであれば驚きはしないのだけど、どうして無人機にこれだけの広さが……」


コンスタリオも又、シレット、モイスとは異なる意味で困惑していた。

それ程に兵器の内部は広く、生命が内部で動き回るには十分すぎる広さがあった。

そしてそれが無人機として運用されているという事も又不可解過ぎる謎を秘めていた。

そのまま兵器の中を進んでいくと目の前に件の青い発光体を見つける。


「大型兵器であるが故か、発光体も大きいわね……!?いえ、あれは!?」


単なる青い発光体ではなかったのだろう、直後にコンスタリオが困惑した表情を浮かべ、発光体に駆け寄っていったという事実がそれを物語っていた。

そして発光体に接近し終えるとコンスタリオは


「これは……まさか!?」


と言って発光体の中を覗き込む。

すると其処には明らかに生命が収納されていた、それは其の発光体が生命制御装置である事を意味していた。


「この発光体が生命制御装置!?だとしたら……」


そう考えた時、コンスタリオの脳裏には嫌な予感しか過ぎらない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る