第1255話 甘さの代償
「何だ!?急に破損箇所の再生が……」
何が起こったのか分からず、モイスとシレットは困惑した声を上げる。
一方コンスタリオの表情に変化は見られず、平常運転の冷静さを保っていた、いや、正確には何が起こっているのか把握していると言うべきだろう。
先程の言動からそう考えるほうが自然であるのは明らかであった。
「隊長、一体何を仕掛けたのですか?」
コンスタリオが何かを仕掛けたのを察したのか、シレットはコンスタリオに問いかける。
するとコンスタリオは
「ええ、先程データルーム内のデータを調べている時に密かに細工を加えさせてもらったの、このプラントの制御装置に悪影響を及ぼす仕掛けをね」
と何が起こったのか、いや何を起こしたのかを説明する。
其の説明を聞きモイスが
「つまり、この現象は隊長が引き起こしたものであると?」
と問いかけるとコンスタリオは
「ええ、スターならきっとそうするでしょう、それを真似たという訳ではないけど、この生産プラントを破壊する以上制御装置の操作はこの上ない有効手段となる筈よ」
とデータルーム内で加えた細工について説明し、モイスとシレットを納得させる。
コンスタリオの説明を聞いたシレットは
「ええ、それならもう遠慮はいりませんね!!サンダー・バーン」
というと目の前で雷の玉を炸裂させ雷をプラント中に拡散させて攻撃する。
雷はプラント内のあちこちに直撃し、直撃した部分を破損させていく。
「プラント内の機器がむき出しになってきたな……それに内部まで兵器は入ってこねえ、此れなら一方的に仕掛けられるぜ」
モイスはそう言うと銃を乱射し、シレットと同様にプラント内を次々と撃ち抜いて破壊していく。
其のモイスの言う通り、プラント内に迎撃兵器は入り込んで来ず、又新たに生産された兵器が突入してくる事もない。
「恐らくプラント内において戦闘が発生した場合、後続が生み出せなくなるが故の処置でしょうね。
あるいはそもそもプラント内に敵が侵入してくる事を想定していなかったか」
「どちらにしても舐められた、あるいは詰めが甘い判断ですが、今回はそれに助けられていますね……少し情けない話でもありますが」
「だったら後悔させてやろうぜ!!舐めた仕掛けを作った結果がどうなるのかってのをよ!!」
プラント内に兵器が入ってこない理由を想定し、コンスタリオ小隊は少々の安心感と共に怒りを覚え、其の怒りをプラントにぶつける事を決める。
それを表しているかの様にシレットが放った雷の一つが兵器の最も最初を作り出す部分に直撃する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます