第1252話 データルームの終焉

しかし、其処から上にある兵器のデータは格闘型、射撃型の違いこそ見られるものの基本的に同種と思わしき兵器のデータが集中しており、何故枝分かれになっているのかも理解に苦しむ様な部分が見られるようなものばかりであった。


「基本の部分を共有して武装の一部を変えているだけなのに個別にデータが作られている……このデータを記録していた存在は余程几帳面なのでしょうか?」

「かもしれないけど、何らかの理由でデータを個別に記録する必要があったのかもしれないわね、勿論其の理由が何なのかを聞かれても現状では返答のしようがないけど……」

「けどこの外見、何処かで見覚えが……いや、ついさっきまで見覚えがある様な気がするんだが」


シレットとコンスタリオが兵器のデータに疑問を持つ一方、モイスは兵器の外見に疑問を抱く。

一見すると彼らの疑問を抱いている箇所はずれているようにも思える、だが直後にコンスタリオが


「まあ、この上、生命制御装置を組み込んだ兵器の大本を調べればそれも分かるかもしれないわね、さあ、調べてみましょう」


と言って生命制御装置を搭載した兵器の大本のデータを表示する。

すると画面に当然の様に其の兵器の外見が映し出されるのだが、其の外見を見たコンスタリオが


「此れは!?」


と困惑した声を上げたのを皮切りにモイスとシレットも


「なる程、だから見た目に見覚えがあったって訳か……」

「だとしたらつまり、この兵器は……」


と驚きと同時に何処か確信を持ったような口調で話す。

其の映し出された兵器のが意見はつい先程まで交戦していた兵器、つまり粒子を搭載した兵器の外見と同じ物であった。


「つまり、生命制御装置を組み込んだ兵器の大本はさっきまでのあの兵器だったって訳か」

「だとするとあの発光部品こそが本来の制御装置として組み込まれていた部品、そう考える方が自然なのでしょうね。

そしてそれで制御しているのは生命を制御装置として組み込んでも尚再現出来ない程の何か、やはりあの発光部品こそが謎を解く鍵となりそうですね」


データの事実を知り、コンスタリオ小隊はあの発光部品に何らかの鍵が隠されている事を確信する、だが其の情報を元にしてもアンナースの救出及び此れ以上の情報は入手出来そうになかった。


「ここに書かれているデータは以上ね……件の部品に関する情報は記載されていないわ」

「兵器の生産に関わる部品なのにデータが無い……此れは不自然極まりない話ですね」


データが記載されていない事でコンスタリオ小隊は逆に確信を持つ。

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