第1253話 新たな戦場へ

「さて、入手出来るデータは全て入手した以上、何時までもここに留まっている訳には行かないわね」

「ええ、いきましょう!!」


コンスタリオとシレットはそう宣言すると機器の電源を落とし、移動を開始しようとする。

だが其の時コンスタリオが


「二人共、外に出る際には気を付けて。

奴等が密集してる可能性があるわ」

「奴等……もしかして外のプラントで生産された兵器の事ですか?」

「ええ、ここがデータルームである以上内部で兵器を暴れ回らせる訳には行かないからこの中には入ってこなかったのかもしれないけど外に集まっていないとは言い切れないわ」


と警告する。

その警告を聞いたシレットとモイスが扉にそっと耳を当てて外から音がしないか確認すると機械音らしき音が微かではあるが聞こえてくる。


「機械音は聞こえていますね……目の前にいるのかどうかは分かりませんが音が聞こえる範囲に兵器が徘徊しているのはまず間違いないと思います」


シレットがこう返答するとコンスタリオは


「ええ、どうやら其の様ね、で、二人はどうするべきだと思う?」


と二人に問いかける。

其の問いかけに対しモイスが


「決まってらあ、ここでじっとしてるって訳には行かねえからな、正面突破あるのみだぜ」


と返答するとシレットも


「ええ、兵器が密集してるのであれば逆に言えば他の方向には兵器が居ない可能性もある、此れを好機に変えてこそです」


とモイスの返答に同調する。

それを確認したコンスタリオは


「そうね、やっぱりそういう結論に至るわよね!!なら迷う必要は無いわ!!」


と叫び、其の扉を開けてデータルームを後にする。

だがシレットもモイスも気付いていた、コンスタリオの表情にほんの一瞬ではあるものの、明らかに笑みが浮かんでいたのを見逃さなかったのだ。

扉を開けると直ぐには兵器は見えなかったものの、周辺から明らかに機械が動いている音が聞こえてくる。


「聞こえてくるわね……それも一方からではなく、周囲を取り囲む様に」

「データルーム内に直接入れないから周囲を取り囲むようにして出てくるのを待ち構えているってところかしらね」


コンスタリオとシレットが周辺の状況を推察するとモイスは


「それは分かったが、一体どの方向から突破するつもりなんだ?まさか

方向の検討もせずに向かうって事は無いだろ」


とコンスタリオに問いかける。

するとコンスタリオは


「ええ、方向は決めているわ、それは此方よ!!」


と言いながら駆け出していき、その後にシレットとモイスも付いていく。

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