第1240話 機密文書と言う謎
件のデータを表示するとそこに表記された文章にコンスタリオは早くも
「施設生産兵器機密文書……如何にもな名前が表示されているわね」
とあまりにもあっけなく該当データが見つかった事に困惑した様な、嬉しく思う様な声を上げる。
だがその表題に機密文書と書かれている事についてシレットが
「しかし、機密文書という表現が気になりますね。
生産を報告するのであれば生産報告書等他に適切な表題が幾つもあるでしょうに……にも関わらずどうしてこの様な表記をしているのでしょう?」
と疑問を投げかけるとコンスタリオは
「其の謎も此処を調べていけば明らかになるかもしれないわ、とはいえ確かに引っかかる表現ではあるわね。
一応気に留めておきましょう」
とシレットの疑問を内心で受け止めつつ、その文章を読み進めていく。
するとシレットが呈した疑問の回答は程無くして表示された、少し進めた文章の箇所に
「当施設において生産技術が確保されていた兵器、それはこれまで我々が得た先史遺産の技術を凌駕する物であった、しかしそれ故に解析も困難を極め、未だ施設内の機器を良く分からずに動かしている状態に留まっている。
其の為、個々にある戦力は何時生産出来なくなっても不思議ではないという現実がある」
と記述されていたのである。
「成程、つまりこの施設の完全な解析はブントも出来ておらず、それ故に施設内の解析も十分ではないという訳なのね、だから生産報告書ではなく機密文書と記述されていた」
「ああ、何時生産出来なくなるか分からねえ物を当てにしてる訳にはいかねえからな、取らぬ狸の皮算用で予定していた戦力を用意出来ねえなんて組織としては最悪だ」
その文章を読んだシレットとモイスが納得した表情を浮かべるとコンスタリオも
「ええ、そう考えてまず間違いないわ。
そして施設の調査結果も併記するという意味も兼ねているのでしょうね」
と言葉を続ける。
そのまま文章を読み進めると愈兵器の詳細が記述された場所に入ってくる。
「ここからがある意味本番ね、兵器についての詳細がある程度記載されている様だわ、最もプラントに隣接しているのだから記述しない理由は無いのだろうけど」
コンスタリオが少し皮肉交じりに話すとシレットも
「ええ、それが一番確実に兵器のデータを採取する方法ですからね、最も其の裏を掻いて……というのも有り得なくは無いのでしょうが」
「そんな事を一々話していたらきりが無いだろ、それよりも早く進もうぜ」
言葉を続けるがそれについてモイスに諭され、先へと読み進めていく。
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